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【黒いドレスの女】男気溢れる世界に酔いしれる!命を懸ける男たち

こんにちは、松波慶次です。
今回ご紹介するのは、『黒いドレスの女』です。

北方謙三氏の歴史小説以外の小説は、初読みでした。

以下ネタバレ注意です!

タイトル:黒いドレスの女
著者:北方謙三

目次

あらすじ

バーテンの仕事をしながら人を高飛ばしたり(国外逃亡)、守ったりする危ない仕事もこなす田村。その田村のバーに、ある日「朝吹冽子」という女がやってくる。

バーで働くことを希望する冽子を受け入れた田村は、裏の仕事をもってくる弁護士・山本から「庄司」という男を高飛ばす仕事を依頼される。

冽子と庄司を受け入れた田村だったが、周りには暴力の渦が回り始めた。

感想

北方謙三氏の小説は『三国志』『水滸伝』を読んでいたので、北方謙三氏が歴史小説以外も書いていることに正直驚きました。

でも、やはり北方謙三氏の小説というべきか、登場する男性がもう男気溢れてかっこよくてかっこよくて。歴史小説でもそうでしたが、みんな男くさくて、義理堅くて、敵に背を向けねぇ! みたいな、もう惚れ惚れしちゃうような男らしさで、男気溢れている人がタイプの私はもうトキメいちゃいますよ。

自分のために一人の女を命を懸けて守る。自分の意志に背かず、向き合って、守ると決めた田村と庄司。相手が誰であろうと関係ない、自分が決めたからただ突き進む。

そんな「ザ・男」みたいな人たちが今作にも登場していて、安定のハードボイルドな世界観に酔いしれちゃいます。

ストーリーは、ちょっと複雑。文章として、あまり多くが明かされていないので、読みながら「どういうこと?」とハテナが浮かぶところもあり、結局あまり理解できていないところもあり……(読解力不足(笑))。

ばらばらになったパズルのピースが、1ピースずつ間隔を空けてはまり、未完成だけど完成されているような。だけど、はっきりと見えない部分があることで、今作の魅力が高まっている感じがします。

今作のラスト、とても意味深でした。あれは、代議士が捕まらなかったという意味なのか、冽子が見つからないなど、冽子のことを指しているのか。

明らかにされない。だけど、やはりそれがいい味出している、そんな作品でした。