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【世界でいちばん長い写真】あるカメラに出会った男の子の成長の物語

こんにちは、松波慶次です。
今回ご紹介するのは、誉田哲也さんの青春小説『世界でいちばん長い写真』です。

以下ネタバレ注意です!

タイトル:世界でいちばん長い写真
著者:誉田哲也

目次

あらすじ

受験を控えた中学三年生、写真部所属の宏伸は、親友・洋輔が転校してから寂しい思いを抱えたまま毎日を送っていた。

しかし、リサイクルショップを営む祖父の家で360度のパノラマ写真を撮れるカメラと出会うことで、宏伸の学校生活は一変する。

男みたいな言葉づかいの従姉、強気な写真部部長、放浪癖のある祖父など、個性豊かな面々に振り回されながら、宏伸が少しずつ成長していく青春小説。

感想

誉田哲也さんの作品と言えば、姫川玲子シリーズが浮かびます。実際に、姫川玲子シリーズは読んだことがあり(全部じゃないけど)、今作を知ったときには「誉田さんの青春小説かぁ」と驚きました。

今作はとにかく、主人公・宏伸を取り巻く人たちのクセが強い。しっかり者で強気な写真部部長の三好はすぐ宏伸を蹴るし、祖父なんかはちょっとした思い付きでインドへ長期放浪しに行っちゃうし、美人なのに言葉づかいは完璧に「男」のかっこいい従姉のあっちゃんは適当だったり真面目だったりだし。

まぁ、このあっちゃんは個人的に好きで、一緒に飲みたいなとも思うのですが(笑)

このようなクセの強い人たちに振り回され、宏伸は「世界でいちばん長い写真」の制作に携わることになり、ガラじゃなかったのに制作の実行委員に選ばれたり、最終的にはみんなに指示出ししたりして、制作を成功させます。

親友と離れ、毎日、知らず知らずのうちに寂しい思いをしていた男の子の、大きな成長。写真を撮ることが好きという熱い思いも伝わってくるので、青春小説として、心温まります。

宏伸が撮ったひまわりのパノラマ写真や、世界でいちばん長い写真を見てみたい。そう思ってしまいます。