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【ゴールデンスランバー】人間は巨人に勝てない?四面楚歌の逃走劇

こんにちは、松波慶次です。

今回ご紹介するのは『ゴールデンスランバー』です。

これは、素晴らしい伏線回収のストーリーでした。

以下ネタバレ注意です!

タイトル:ゴールデンスランバー
著者:伊坂幸太郎

目次

あらすじ

首相殺しの容疑をかけられた青柳雅春は、殺された親友、森田森吾の最後の言葉通り、「逃げる」ことを選択した。

昔の恋人である青柳に容疑がかけられていることを知った樋口陽子は、警察の目を盗みひっそりと行動を起こす。

強大な陰謀の生贄、オズワルドにされそうな青柳は果たして逃げおおせ、無実を証明できるのか?

感想

初、伊坂幸太郎さんの作品でした。

読み進めているときに常に感じたのが、伏線回収がすごいということ。

無駄のないストーリーと登場人物に度肝を抜かれ、感服しました。

精巧に作られた蜘蛛の巣のように、美しすぎる構成に芸術作品を間近で見たような気持ち良さも感じ……ほんと、参考にしたい(笑)

自分の作品にも活かしたいですね、本当に素晴らしかったです。

素晴らしいのは構成だけでなく、もちろんストーリーも。

無実の青柳が、強大な敵の陰謀に翻弄され、諦めそうになりながらも必死に抗っていく。

しかも、その敵の正体は結局分からず仕舞いです。青柳の無実も証明されず、整形してなんとか生き延びることに成功する。

陰謀により、事実は歪曲される。嘘が真実になる。まさに四面楚歌の状況。

誰も頼れない。声はかき消され、誰も聞いてくれない。頼れるはずの警察は、自分を殺そうとする。

このような状況、考えたくもありませんよね。青柳の運の良かったところは、助けてくれる、頼っても裏切らない人たちがいたこと。

死んだ森田森吾の言葉「大切なのは習慣と信頼」。

絶望的な状況で相手を信頼するのは至難の技ですが、それが功を成しました。

ラストは、整形して逃げ延びた青柳が、自分を助けてくれた人たちに会いに行ったり、手紙を書いたりしてお礼や生きていることを伝えるのですが、そこは目頭が熱くなりましたね。

読み終わり、物語の序盤に、この事件後、不審死をした人の名前が書かれているのですが、そこは読み返しました。

全てを知ってから読むと、不審死した人たちの状況も、より一層理解できます。

口封じ、もしくは、失敗した罪を償わせるために殺したか。

いやー、色々と恐ろしい話でした。これはぜひ映画も観て臨場感を楽しみたいですね。

人間の怖さ、政府の陰謀等のエンタメ小説が好きな方に、ぜひともおすすめしたい作品です。

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