こんにちは、松波慶次です。
今回は『そして誰も死ななかった』をご紹介します。
以下ネタバレ注意です!
タイトル:そして誰も死ななかった
著者:白井智之
あらすじ
5人の推理作家が孤島に招待された。しかし、そこで一人、また一人と殺されていく。
死んだ……と思ったら、なぜか生きていた。その原因は、全員に共通するある女にあった。
感想
ううむ……無理やり感がすごい(笑)
主人公、牛男や他のキャラとのギャグ、ボケとツッコミは面白かったですが、ストーリーとしては疑問点や腑に落ちない点がたくさん。
晴夏との交際の話のときに、あいりが名を上げたときなぜ誰も突っ込まなかったのか(女同士だぞ。しかもあいりはレズであるとか、バイであるとか言っていない。男相手の商売をしているのだし、猛烈に違和感。誰か一人くらい何か言ってもいいものだが誰も何も言わない)。
斉加年の晴夏への異常な執着。特段、2人の関係が取り上げられたわけではないため、なぜそこまで執着するのか(それはすなわち、晴夏と性行為をしたかしていないかをわざわざ殺すことで判別しようとしたこと)。ここで、あいりは死んだのだから、晴夏と性行為をしていたことになる。しかし、彼女はそういう嗜好があったのか。最初の疑問に戻るが、特にそういう描写はない。
寄生虫で死んだという民族の話。そこももっと掘り下げてほしかった。大量死。自身が死なないことを知り無謀にも動物に挑み続け滅んだなど、そんなこと……。
すみません、少し言葉を失いそうになりました。
斉加年は死んだはずの4人を連れ帰って、何をしようとしたのか。あいりの熱狂的なファンの佐藤がなぜ島にやってこられたのか。なぜ死の間際「水をくれ」というのか。晴夏が死ぬとき線虫が道路に撒き散らかされなかったのか。晴夏がなぜ作家とばかり寝たがったのか。
ゾンビパニック映画を見せられて、人類とゾンビが共存の道を選び唐突に幕が閉じたような、そんな感覚。
登場人物の名前も斉加年や饂飩、肋など変わりすぎていて、少し読みづらさを感じました(読み進めるうちに慣れましたが)。
牛男のキャラは、クズですが好きです。
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