こんにちは、松波慶次です!
今回は、江戸川乱歩の短編集『D坂の殺人事件』をご紹介します。
以下ネタバレ注意です!
タイトル:D坂の殺人事件
著者:江戸川乱歩
あらすじ
日本の推理作家・江戸川乱歩が紡ぐ、表題作含む10作の短編集。
サスペンス、ミステリー。そして、人間の狂気を描く世界に、読む者は引き込まれるーー。
感想
江戸川乱歩は『芋虫』を読んで以来、2冊目です。
てっきり「D坂の殺人事件」1作かと思っていましたが、目次を開いて短編集であることに気が付きました。
短編集でも長編でも、江戸川乱歩を、この本を読みたい欲に変わりはないため早速読み進めると……相変わらず人間の狂気を描くのが上手。
淡々と、サクサクと、日常の中に狂気を潜ませているので、それがまた絶妙に恐怖を煽ります。
私が一番好きだな、と思ったのは、「お勢登場」というお話です。病弱な旦那が、子どもたちとかくれんぼをして遊んでいた。そして誤って、箱の中に閉じ込められてしまった。
不倫をしている妻が家に帰ってくると、旦那が箱に閉じ込められているのに気が付く。助けるために、一瞬箱のふたを開けたが、すぐに閉めて見なかったことにした。
結局、旦那は「かくれんぼをしていて不運にも箱の中で窒息死した」という見解で息絶え、妻は「悲劇の女房」として泣き悲しむふりをする。
いやー、印象的な話でした。妻の「助ける」→「やっぱやめる」の切り替えが早くて、恐ろしい(笑)
今作には『芋虫』に収録されていた「赤い部屋」と「白昼夢」もありました。
被っていた収録作がその2つだけでよかったです。半分以上、読んだことある作品だと(´・ω・`)ショボン となってしまいますからね。
あ、『D坂の殺人事件』では明智小五郎も登場しましたよ!
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【芋虫】人間が秘める憎悪・狂気・暗澹!ありえないとは言い切れない
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