【いけない】考えなくてはいけない……この物語の真相を

こんにちは、松波慶次です。
今回ご紹介するのは、『いけない』です。

4つの章からなるこちらの小説……きっと頭を悩ましますよ。

以下ネタバレ注意です!

タイトル:いけない
著者:道尾秀介

あらすじ

白沢(はくたく)市と蝦蟇倉(がまくら)市を舞台に、交通事故や自殺、宗教団体などさまざまな事象や人物が絡み合いストーリーが進んでいく。

1章 弓投げの崖を見てはいけない
2章 その話を聞かせてはいけない
3章 絵の謎に気づいてはいけない
終章 街の平和を信じてはいけない

真実は、一体なに?

感想

読み始めてすぐ、暴力性と胸糞の悪さとこれから何が起こるのかという楽しみを感じ、ストーリーに引き込まれました。

登場人物は、多くはありません。しかし、それぞれが抱えている思いや立場、巻き込まれた出来事が絡み合っており、真相が見え隠れしています。

はっきりと書いてないんですよ、誰がどうしてどうなったか!

そのため、読みながら考察をしまくりです。

いまどうなった?

誰が死んだ?

なんで死んだ?

読み終わったとき、残った疑問は3つ。

①吉住の運転する車に轢かれたのは誰なのか?
②宮下を殺した動機は何か?
③山内と珂(カー)の会話はどういう意味なのか?

①については、まずは邦夫が轢かれたと思いました。でも、死亡事故のはずなのにのちに邦夫が生きていたので違うことが判明。

では、次に考えたのは森野雅也。轢かれたときに何かを落としたらしいので、握っていた包丁だったのではないか?

しかし、連行されたと記述がありこれも違う。

そうなると、残るはただ1人。隈島。

ここまで思い至りましたが、なんで隈島が? 手に何か持ってたっけ? と確信が持てず……。

②については、漠然と「動機は何だったんだろう?」と思っていたのみで、③も同様。「会話に違和感があるけど、よく分からないな……まぁいっか」と無理やりスルー。

読了後、どうしても気になった①について、解説が欲しいと思い検索。

……私、本の解説ってめったに読まないんです(笑)
でも、今回の『いけない』は読まなきゃ分からん! と思って読んでしまいました。

①について知ろうと思い検索すると、なんと天下のヤフー知恵袋さんで私と同じ疑問点を質問している方を発見!

そして、その質問に対する素晴らしい回答もあり謎が解けました。

①については、やはり隈島。手から飛んだものは、ラークの箱。その部分を読み返してみて、確かに隈島はラークの箱を持ったままゆかり荘に向かっていました。

やっぱりな、と満足。

②については、隈島を轢いた車に乗っていた宮下が、そのときの車が法定速度を超えて走っていたことを警察に話そうとしたから。

ストーリー上では何も書かれていませんが、納得のいく動機だと思いました。

そして、③については、山内が車の中に乗っていた。各章の最後に真相を物語る写真や絵が挿入されているのですが、山内が確かに車の中に乗り込んでいたのです。

私は最初、珂がおばあさんと甥っ子を道連れにして崖から飛び降りたと思ったのですが、山内が車に乗っていて、珂を助けるために2人を崖から突き落としたのなら、珂が生きている理由も、2人の殺し方も納得(珂の力で自分が落ちずに2人を崖から引き落とすことは無理だと思ったので)。

「かくれんぼ」の意味も、それなら理解できました。

あくまで、上記は私や知恵袋の回答者の「考察」であり、ストーリー上には正解が書かれていないということはご承知おきください。

これだけ考察のしがいがある小説も、なかなかない気がします(わざとピースが合わないようにしてあるパズルみたいです)。

そうそう、謎がもう1つありました。これは「まぁいっか」でスルーしちゃったので解説を検索していない(←)ので、謎のままです。

中川の手帳に人型を描き足したのは竹梨、ということですが、いつ描いたのでしょうか?

川から拾ったときはびしょびしょ。このときに描こうとしたらそもそも滲みまくって描けないと思います。ドライヤーで乾かしたあとは、描く隙があったでしょうか? ペンを持った描写もなかったように思うのですが……。

それだけ、謎のまま残っています。

どなたか、気が向いたら教えてください(^^)/

あ、あと。思ったのが、チャイルドシートって後部座席に置くんじゃなかったかな? ってこと。助手席だとエアバッグが発動したときに危ないから、みたいな理由で後部座席で使用……だった気がするのですが……。

時代の違い? これも少し気になりました。

結局、登場人物の誰も真実を知らず、知ることもなく、「平和」に終わった作品。後味が悪いわけでもなく、かといってすっきりもしない……いい意味でもやっとした読後感です。

これは本当に、読んだ方と考察を話し合いたくなる作品です。とても面白かった。

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