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【邪魅の雫】一人死に、また一人死ぬ……黒い雫がもたらした邪な思い

こんにちは、松波慶次です。
今回ご紹介するのは、『邪魅の雫』です。

現在刊行されている百鬼夜行シリーズの最終巻になります。
あぁ、早く次巻を読みたい!

以下ネタバレ注意です!

タイトル:邪魅の雫
著者:京極夏彦

目次

あらすじ

男が毒殺された。そして、少女が磯辺で死んでいた。その後も人が死んでいき、共通点としては「毒殺されたこと」のみ。

山下警部補や青木刑事ら、警察が連続殺人事件として必死に捜査するが、犯人を見つけることも、ましてや犯罪を止めることもできない。

榎木津の親戚から、榎木津との縁談が女性側から次々と破談にされる理由を探ってほしいと内緒で頼まれた益田とそれに巻き込まれた関口も、この捜査に呑み込まれていく。

被害者はなぜ殺されたのか? 殺したのは誰なのか? 榎木津の縁談が破談になる理由とは?

感想

今作は、『鉄鼠の檻』で登場した山下警部や『陰摩羅鬼の瑕』で登場した大鷹などが出ました。

京極堂と関わった傲慢な警察たちは、みんな丸くなりますね。山下警部補も丸くなり、理性的にといいますか、きちんとした態度で警察官やっていました(笑)

榎木津の縁談や、元カノ登場など衝撃的&面白い話はありましたが、全体を通してみると私はそこまでハマらないストーリーでした。

相変わらずミステリー要素はすごいですし、人間関係も複雑で綿密に練られたストーリーではあるのですが、ややこしさとちょっと無理やり感あるなぁと思ってしまいました。

人が思った通りに動きすぎますし、大鷹に限っては、大鷹の性格が変すぎる(笑)

実際に、「不審者がいるからあの女性を見守って!」と頼まれたとして、その女性から見える位置で朝から晩までぼーっと突っ立って見ていることなどあります?

それを、大鷹は自分が怪しく見られるとか、気持ち悪がられるとか考えないんですよ?

十分怪しいですよね(笑)

『陰摩羅鬼の瑕』でも変なやつだとは思いましたが、今作でその変度は爆上がりです。

話は変わりまして、益田くんと関口は、いいコンビだと思いました。いつも京極堂や榎木津、木場にいじめられている関口は能弁で頼りがいがある、ように見えましたし、益田は益田でお調子者だから、関口とのやり取りが面白い。

またこのコンビの旅行(捜査?)を見たいです。

さて、シリーズ的には今回で一旦読了になります。次の巻が出るのが楽しみですね。今後の刊行情報をチェックしていかなければ!