こんにちは、松波慶次です。
今回は、前回ご紹介しました『姑獲鳥の夏』の京極堂シリーズ第2弾!
『魍魎の匣』をご紹介します。相変わらず分厚い本なんだよな(笑)
『姑獲鳥の夏』の記事はこちら↓
【姑獲鳥の夏】事件か?はたまた怪異か?辿り着いた先の切ない真相とは?
以下ネタバレ注意です!
タイトル:魍魎の匣
著者:京極夏彦
目次
あらすじ
小説家である関口は、同じく小説家である久保竣公という男と出会う。指が欠損しているらしい久保は、手袋をはめたクセのある性格の人物だった。
2人の少女、新興宗教、連続バラバラ殺人事件……。
決して交わらなさそうなそれぞれの出来事が、道を違えたかのように絡み合っていく……。
表向きは古本屋、実は陰陽師の中禅寺が、「魍魎」とは何かを説くーー。
感想
今作はですね、木場の物語といってもいいでしょう。
木場は中禅寺たちの友達であり、刑事でもあります。そんな彼が、電車の人身事故の場面に出くわしたことから、物語はスタート。
憧れの女優、美波絹子との出会い。
巨大な箱との出会い。
患者が突然消えるという不可思議な出来事との出会い。
物語の中の出来事が複雑に絡まり合っているので、どう書いたものか迷ってしまいますね(笑)
ただ、今作も前作『姑獲鳥の夏』と同様、切ない終わりと言いますか、私としては「木場と美波がくっつけばいいなぁ」と思っていたので、残念な結果でした。(ある意味、これで二人の距離が近付いて結婚する流れになるかも……という希望的観測は捨てていないので、その点でも、次作を勝手に楽しみにしております)
魍魎のこともよく分かりましたね。
いわば、人間の心の闇、といいましょうか?
いや、隙というのでしょうか?
弱み、嘘、自己嫌悪、劣等感、憎しみ等々……そういう負の気持ちが心に空洞を生み、倫理に反するような行動をとらせる。
それぞれの登場人物の気持ちを考えると、やはりやりきれないような気持ちになります。
そうそう、今作から新たに登場した「鳥口」という人物が、個人的にとても気に入りました。雑誌の編集者なのですが、お調子者だけど頭がいい、「うへぇ」が口癖の、なんとも愛らしい性格です。
彼の活躍も見逃せないのが今作。次作にも登場してくれると嬉しいのですが。
あとは、探偵・榎木津も、今作ではよく登場しました。
元々キャラが濃かったのですが、さらにパワーアップした感じ(登場シーンが多かったから、そう思ったのかもしれませんが)。
相変わらずの勝手気ままな言動が、面白い。一緒にいると疲れるだろうな、とは思うのですが、それ以上に一緒にいて楽しそうです。
語り部といいますか、中禅寺と並んでの主人公、関口君は(京極堂がそう言っているのでつい(笑))、好きっちゃ好きだけど好きじゃないっちゃ好きじゃないような、個人的には相変わらずそのような気持ちを抱く、立ち位置の人物でした。
いや、重要なポジションですけどね。
彼は、中禅寺の煮え切らない言葉を先に促す、解明していくという。
しかし、やはり私にとっては宙ぶらりん。
私の、中禅寺や榎木津に対する好きのボーダーラインと比較すると、下になりますね。
いい人なんだけどな、関口君(笑)
何はともあれ、次作も楽しみです。
鳥口君、また出てほしいな~!
京極堂シリーズ3作目の読書記録はこちら↓
【狂骨の夢】首なし死体と髑髏の目撃!気味悪い事件の真相とは?
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