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【鉄鼠の檻】土砂に埋もれた蔵と坊主殺害と謎多き寺……ミステリー大作

こんにちは、松波慶次です。

京極堂シリーズの第4弾「鉄鼠の檻」をご紹介します。

これ、過去シリーズ4作の中で1番分厚かった笑

以下ネタバレ注意です!

タイトル:鉄鼠の檻
著者:京極夏彦

目次

あらすじ

箱根にある明慧寺という寺の取材に訪れた敦子、鳥口は、宿泊する宿にて元医師・久遠寺と出会う。

2人の目的とは別に、京極堂も仕事で同じ場所を訪れていた。関口とその奥方たちは、旅行ついでに一緒である。

そんな中、僧侶が不可思議な形で殺される事件が起きる。

果たして誰が犯人か。明慧寺に隠された秘密とは?

感想

今回が、過去シリーズ4作の中で1番ミステリー感が強かったです。

過去作は、妖怪変化の類が(実際にはないにしろ)よく出てきたのですが、今作は僧侶連続殺害事件。

妖怪変化の仕業ではなく、人間の仕業だと思えるような展開だったため、ミステリーとしてとても楽しめました(過去作がミステリーなことに違いはありませんが)。

そして、面白かったのが「姑獲鳥の夏」に出てきた久遠寺医師が出てきたこと!

まさか前の作品の人物(しかも敵?方)が出るとは思わなかったので、驚くと同時に嬉しく!

なぜなら、久遠寺医師はとても好々爺になっていたからです。

「姑獲鳥の夏」のときは勝手なじいさんでしたが、それがあの事件をきっかけに丸くなったのか、医師として優しいし、他の者を気遣うしで、なんだか嬉しくなりました。

しかも、敦子や榎木津、京極堂など、事件を暴いた面々に対しても敵愾心や恨みは持っておらず、協力的。

それどころか、信頼している。

今回、いい役していますし物語の主要人物と言えるでしょう。

ぜひ、久遠寺医師の活躍にご注目ください。

久遠寺医師だけでなく、私が出番を待ち望んでいた鳥口も再登場!

相変わらず飄々としていて言葉の間違いも健在ですが、かわいいキャラしています。

敦子と夜の山を下るシーンがあるのですが、草陰から物音がしたときに、敦子の手を引き守るように自分の後ろに隠したところはかっこよかったですね。

イケメン、鳥口。素晴らしい(←鳥口のこと好きすぎだろ)。

舞台が寺ということもあり、禅や真言宗のことなどに詳しくなれる、蘊蓄も豊富。

ストーリーはもちろん、知識としてもとても楽しめる作品です。

今回木場は出ませんが、いつもの主要キャラはみんな出ますし、過去作に登場したキャラ、今作のみ出演の濃いキャラもたくさんいるので、今作もぜひご堪能ください。

残り5作の京極堂シリーズも、読み進めていきます(^^)