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【塗仏の宴〜宴の支度〜】物語は平行線?消えた村と催眠術とは?

こんにちは、松波慶次です。
今回ご紹介するのは、百鬼夜行シリーズの第6部、『塗仏の宴〜宴の支度〜』です。

以下ネタバレ注意です!

タイトル:塗仏の宴〜宴の支度〜
著者:京極夏彦

目次

あらすじ

関口が依頼されたのは、消えた村の捜索だった。しかし、その捜索中に、いつの間にか「殺人犯」として勾留されてしまった。

薬問屋の旦那をもつ明美は、首吊りをしようとした男を保護する。その男は、「死ぬ気がなくなった」と言いながら、何度も死のうとする。そこへ、怪しい宗教団体がやってきて……。この男の正体は?宗教団体の狙いとは?

いくつもの話が平行し、まるで関わりのないように思うが、そのどれもがどこかで繋がっているーー。

関わりの場所は、伊豆だ。

感想

読み始めてすぐに「村人が入れ替わったのでは?」という話があったのですが、そこを読んだときゾッとしました。

あったはずの村がなくなり、そこには違う村がある。誰も、あったはずの村のことなど知らない。

今作の前に『残穢』を読んでいたのですが、それ以上にゾッとするという笑

明美さんや織作茜など、いままでに出てきた方々も登場してバラエティパックのような作品になっています。

しかし、今作の最後。茜が殺され、しかも犯人は関口だという。

最後の最後に、「殺人犯」関口が誰を殺したかが分かり、ストーリーの構成とその事実に驚愕しました。

関口が殺していないことは分かるのですが、茜が死んだという事実にショックを受けました……。

明晰な頭脳を持つ素敵な女性だったのに(´;ω;`)(今作の最後のほうの章で茜主体で話が進むのですが、笑顔を浮かべるシーンもあり幸せそうだったのに……)

あと、各章のタイトルが妖怪の名前なのですが、そのうちの一つに「しょうけら」があり、私はこの妖怪の名前を見て「地獄先生ぬ〜べ〜」を思い出しました。

「しょうけら」の話、ありましたよね。家の上に黒い変な妖怪がいて、その家の人は家事だかなんだかで死んでしまうという。

それが「しょうけら」回だったと思うのですが、当時小学低学年のときに「ぬ〜べ〜」を見ていたので怖さを感じましたね(それ以上に面白く、何度も繰り返し見ました)。

よく分からない、謎が謎のまま今作は終わったので、続編の『宴の支度〜宴の始末〜』を読みたいと思います(記事執筆時まだ未読)。

どう解き明かされていくのか、楽しみです。