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【OUT(上)】主婦四人の奇妙な連帯感!人々の思惑が交錯する犯罪小説

こんにちは、松波慶次です。
今回ご紹介するのは、人間模様が複雑なサスペンス小説『OUT』です。

以下ネタバレ注意です!

タイトル:OUT 上巻
著者:桐野夏生

あらすじ

夜勤の弁当工場で働く雅子、ヨシエ、邦子、弥生は、仕事上仲良くしていた4人グループだった。

しかし、各々家庭や自身の生活に不満や思うところがあり、決して満足のいく人生を歩んでいるわけではなかった。

そんなある日、弥生が旦那を殺してしまう。自首する気のない弥生に対し、雅子は旦那の死体をバラバラにして捨てることを考える。

雅子はヨシエと邦子も巻き込み、完全犯罪への歩を進めるーー。

感想

桐野さんは、たぶん初読み作家さん。Twitterで『OUT』を知り、面白そうだと思ったから読んでみたら、寝るのがもったいないくらい面白く引き込まれました(寝る前に読んでいたので、本を閉じるタイミングを何度も逃し連日寝不足でした(笑))。

ただのパート仲間である弥生の旦那の死体処理を手伝うことにした雅子。義理も恩もあるわけじゃないのに、「なぜ?」と思ってしまうけど、雅子は家庭に居場所がない……というか、家族が崩壊し、すでに必要とされていない。

いわゆる、空虚さがある感じ。だから、ぽっかり空いた穴を埋めるために、弥生を手伝った……ということだと思う。ヨシエと邦子は、金のため。

「そんな簡単に、犯罪の片棒を担ぐか?」と思いつつも、人間、一歩踏み出してしまえば肝が据わるのか、仲良し4人は共犯となってしまった。

邦子の態度や言動には、むかむかする。自己中心的すぎて、自分の行動がどう出来事を引き起こすのかまったく分かっていなくて、今後の展開でも確実にトラブルを起こすだろうなと予想しておく。

そして、トラブルといえば、金貸しの十文字の存在も恐ろしい。冤罪をかけられそうになった佐竹と同様、弥生に近付いていくことが考えられる。

さまざまな人の人生があり、思惑があり、行動に移されるこの話は、人間模様が複雑で、とてもリアルに感じられる。

だからこそ、物語の中に引き込まれるし、早く展開や結末を知りたくなるのだと思う。上巻を読み終わって、下巻のページを開くのが、楽しみであり、どんな恐ろしい展開が待ち受けているのか、怖くもある。

それだけじゃない。この物語を読み終わるのが、寂しいというのもあると思う。

とりあえず、下巻を読み始めます。そして、また感想を綴りますね。

あ、そうそう。出てくる比喩が的確で、読んでいてとても勉強になりました。物語だけでなく、文章の面でも素晴らしい作品だと思います。

『OUT』下巻の感想はこちら!

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