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【モンスターマザー~長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い~】冤罪は徹底抗戦を

こんにちは、松波慶次です。
今回ご紹介するのは、前回ご紹介した『でっちあげ』と同様、福田ますみさんによるノンフィクション小説『モンスターマザー~長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い~』です。

以下ネタバレ注意です!

タイトル: モンスターマザー~長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い~
著者:福田ますみ

目次

あらすじ

高校1年生の男子生徒が自ら命を絶った。

男子生徒の母親は、「所属していたバレーボール部でのいじめが原因だ」として、バレーボール部員らを訴え、校長などは殺人罪で刑事告訴もされた。

しかし、学校側は「いじめはない」「男子生徒は母親を恐れ、登校ができなかった」「自殺は家庭環境にある」として徹底抗戦。

母親と学校の主張が真っ向から対立した裁判の行方はーー?

感想

福田さんの著書『でっちあげ』から続けての同著者によるノンフィクション小説。

今回も、保護者(今作で言うと男子生徒の母親)の言動が強烈で、この口撃(攻撃)を受けていた学校やバレーボール部員、その他大勢の人たちは本当に精神的に辛かっただろうと思わざるを得ないです。

「人権派」弁護士が母親側の代理人になるのですが、その弁護士が最終的に確定判決の内容を履行しなかったことに驚き。

「自分の主張は間違っていない」と頑なに学校側の主張や判決を認めず、弁護士であるのに判決内容を履行しないなんて……母親だけでなく、この弁護士も「すごいな」と思いましたね。

今作も『でっちあげ』と同様、「真実を見ようとする意識」が大切だと教えてくれています。

テレビで報道したから、雑誌や新聞に載ったから。それがすべて正しいのか? 客観的に報道、掲載されているのか? 自らは真に受けすぎていないか?

世間(部外者)が「被害者」と「加害者」を決めつけたからといって、本当にそうかは分からない。簡単に決めつけ、安易に誹謗中傷することによって、ズタズタに傷つけられている人がいる。

固定観念を持ち、疑わないために、冤罪が生まれる恐れもある。

一人の人間を、人権を守っていくためには、マスコミの適切な調査と報道、そして、世間の冷静な目や思考が必要なのではないか……。

同著者によるノンフィクション小説『でっちあげ』はこちら↓