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【母性】愛されたいのは誰?母と娘と求めるだけの家族の未来は

こんにちは、松波慶次です。
今回ご紹介するのは、『母性』です。

最近、『ポイズンドーター・ホーリーマザー』『聖母』といった、母娘(おやこ)ものが多いですね(笑)

以下ネタバレ注意です!

タイトル:母性
著者:湊かなえ

目次

あらすじ

女子高生がアパートから転落した。自殺の線が濃かったが、マスコミは「母親との歪な関係が死に追いやったのではないか?」と疑う。

主人公は、自分がどんなに母親を好きかということ、夫との出会いのこと、娘が生まれてからのこと、そして、あの日のことまですべてを日記にし、神父に渡していた。

自分は娘を愛しているのだということを、伝えるためにーー。

感想

登場人物、全体的に極度な自分勝手で、読み始めてから読了するまで、イライラムカムカ率高めの作品です(笑)

ページを閉じ、後日また開いてもすぐイライラするから、精神的にはあまりよろしくない(^^;

しかし、もちろん小説は面白いし、それだけ読者の心を揺さぶるのは、登場人物がそれだけ「しっかりと描かれている」ということ。

姑も、小姑も、憎らしいったらありゃしない。もちろん、傍観者の夫も。主人公に対し、「なんで断らないんだよ」、「なんで怒らないんだよ」、「ご飯がまずいと言われたら、自分で作れって一喝してやればいいのに」と、義実家暮らしの場面が一番、終始イライラしました。

まぁ、主人公の生まれ育った環境、植え付けられた正義感は、そうそう変えられたり覆されたりするものではありません。

それは分かっているけど……そこでの娘の頑張りは、少しでも気持ちをすっきりさせてくれました。「義実家の理不尽な対応から母親を守る娘」。しかしそれが、主人公にとっては「相手に汚い言葉を吐く子」、「なんで私やお母さんの子なのに、こういう態度がとれるの?」と嘆きでしかなかったのです。

作品は、結果的にハッピーエンドを迎えました。娘の自殺未遂で3人の家族はまた「家族」に戻ることができたのです。

このとき、姑はナイスでした。首をくくった娘(姑から見て孫)を見て、動転する主人公に代わりに機敏に反応し、すぐに救急車を呼んでくれたのです。昔話をしていたときとこのときが、「姑も人間だったんだ」と安心?嬉しい?と思えるところでした。(それ以外はマジ鬼畜です。はっ倒したくなります)

イライラしても大丈夫! この家族の話を読みたい! という方は、ぜひ手に取ってみてください。

他の母娘ものの小説が気になる! という方は、ポイズンドーター・ホーリーマザー聖母もぜひご覧ください(※ネタバレ注意です)