こんにちは、松波慶次です。
今回ご紹介するのは、前回ご紹介した『一瞬の風になれ 1』の続編、『一瞬の風になれ 2~ヨウイ~』です。
相変わらず、胸が熱くなります。
以下ネタバレ注意です!
タイトル:一瞬の風になれ 2~ヨウイ~
著者:佐藤多佳子
あらすじ
3年生が引退し、前部長である守屋から次期部長に任命された新二は、部長という役割と部のスプリンターという役割を実直に、ひたむきにこなしていく。
1年、2年のみの新たな春野台高校・陸上部。新二はさらに速くなるため、三輪先生に自主トレーニングメニューを考えてもらった。
確実に成長する新二だが、ある絶望的な出来事が彼を襲うーー。
感想
努力、努力、そして努力!
新二の速くなりたいという気持ち、鷲谷の高梨や仙波、親友・連にも負けたくないという気持ちがびしびし伝わってきて、私も熱くなり、心から応援してしまいました。
三輪先生に自主トレーニングメニューを考えてもらうことを依頼しに行ったとき、新二の本気度、陸上にかける思いが分かりましたし、三輪先生の嬉しさ、新二に対する期待も分かりました。
三輪先生みたいに、無理強いさせるのではなく、生徒自身の意思や思いを尊重し、陰ながらサポートしてくれる先生は、素晴らしいですね。
見守りながら適切なアドバイスをして、間違った方向に行ったらきっちりと叱る。こういう先生のもとで育てられる生徒は、いい意味で伸び伸びでき、自分の可能性を伸ばして行けそうです。
3年生引退の、守屋さんの涙のシーンは、私も目頭が熱くなりました。部員全員泣いた。私もその場にいたら、部員だったら、絶対泣いたと思います。
それほど、守屋さんの存在は大きかった。部の結束が強かった。
高校生活は3年間ありますが、部活動は3年間ありませんからね。その間に、辛いことも、楽しいことも、部員たちで分かち合ってきた。
守屋さん、まだまだ春高陸上部でいたかったと思います。仲間と泣き笑いをともにできる期間に終わりがあるからこそ、部活動は尊く、忘れられない思い出となるんですよね。
さて、第1部に引き続き熱く、のめり込んだこの第2部の感想で、どうしても語らなければならないことがあります。
それこそ、あらすじで記した「ある絶望的な出来事」のことですが、それは、新二の兄・健一の事故です。
正直言うと、この作品を読み始めた当初から「これ、お兄さんが死ぬとか事故に遭うとか、何かしらあるんじゃないか」と思っていました。
主人公が尊敬する兄。天才・サッカー選手。サッカー選手として順調に、輝くステージで躍進していく……。
これはもう、フラグですね。いままで多くの作品(小説に限らず、漫画や映画も含む)を見てきたので、健一が交通事故に遭い右膝を大ケガし、サッカーどころか走ることもできなくなるかもしれない、となったときに
あぁ、やっぱりな
と思いました。
予想はしていたけれど、辛かったです。
死ななかっただけマシか、と思えないのが、また辛い。サッカー命の健一が、サッカーをできなくなる。輝かしいステージを進んでいたのに、他人の100%の過失で一方的に、唐突に生きる意味を奪われる。
新二は、かける言葉が見つからない。自分は、走れるから。スポーツを、できてしまうから。
健一はまたサッカーをできるようになるのか、新二との関係はどうなるのか、今後の展開がとても気になるところで今作は終わりました。
もちろん、新二の走りも気になります。新二は高梨を、仙波を、そして連を抜かすことができるのか。
興奮と緊張を抱きながら、第3部を読んでいきたいと思います。
第3部の読書記録はこちら↓
【一瞬の風になれ 3~ドン~】バトンを繋げ!高校生の熱い青春・完結!
私の著書一覧はこちら