【姑獲鳥の夏】事件か?はたまた怪異か?辿り着いた先の切ない真相とは?

こんにちは、松波慶次です。
暑くなってきましたね。

そんな暑い夏の日に読みたい一冊、京極堂シリーズ第1弾「姑獲鳥(うぶめ)の夏」をご紹介します。

以下ネタバレ注意です!

タイトル:姑獲鳥の夏
著者:京極夏彦

あらすじ

20か月も妊娠している女がいる。

そんな奇妙な話を聞いた小説家、関口巽は、友達であり古本屋の店主をしている中禅寺秋彦にそういう現象に心当たりがないかを聞きに行く。

中禅寺は古本屋の店主だけでなく、俗にいう祈祷師、陰陽師と呼ばれる類の仕事もしていたからである。

他にも、探偵や刑事、妊婦の家族も巻き込み事件の真相が暴かれていくが、行きつく先は「憑き物」に関する悲しく切ない結末だった。

感想

中禅寺秋彦、通称・京極堂(中禅寺が営む古本屋の名前)は、とても理屈屋。
0といったら0だし、1といったら1。
理路整然と、事実のみを客観的に述べる。

こういう性格を苦手な人もいるかもしれませんが、私はとても好感を持ちました。
物知りな京極堂が話すことは、どれも頷けるし、理にかなっているのでとても興味深く、面白い。

自分でいうのもなんですが、好奇心旺盛な性格なので自分が知らないことを分かりやすく(理屈なのでときに難しいですが)、整然と話してくれるのはついじっと聞き入ってしまいます。

って、実際に京極堂の目の前で話を聞いてきたかのような感想(笑)
しかし、気分はまさにそれ。

京極堂の理屈を楽しく聞いていました。

その京極堂に、最初に妊婦のことを話したのが関口ですが、最初の頃の関口と物語中盤からの関口が様変わりし、正直、中盤以降の関口はあまり好きではありませんでした。

妊婦の姉のことで必死になりすぎて、落ち着いた様子は皆無。
最初とのギャップが激しく、その理由を知っても、ここまで豹変するのは少し変な感じが……。

最後には、もとの関口に戻った(憑き物が落ちたように)のですが、私の中では「好きとも嫌いともいえない宙ぶらりんの人物」でとどまっています。

シリーズ作品なので、次回作以降にも出てくると思いますが、そこで改めて私の関口への気持ちをはっきりさせたいと思います。(今回のように豹変しすぎたら、やはりちょっと引いちゃうかもしれませんが)

京極堂、関口も個性豊かですが、他に登場する榎木津という探偵は残った記憶が見えますし、時間にルーズで無駄に服装にこだわる。

木場という刑事は、唯一まともといいますか、刑事らしい強引さを持ち、現実主義者で豪胆な男です。

京極堂には敦子という妹がいるのですが、この子もまとも!
優秀だし美人だし、ぜひお友達になりたい(笑)

というように、個性豊かな登場人物がたくさんいるので、それぞれの言葉や会話を聞くだけでも十分楽しめます。

敦子と友達になりたいと言いましたが、主要人物全員と友達になりたいな、うん。

ストーリーも、おぞましい中に悲しみがあり、必ずしも「すっきり」とはいかない読後感です。
胸にやりきれなさが残るような、「憑き物」に関わる女たちの苦悩を思うと、許されないのだけれど、どうか許してほしくなります。

「憑き物」。
そう、この話はそれが大いに関わるものであり、その「学」もとても面白かったです。

タイトルにもあるように「姑獲鳥」のことや、「憑物筋」、「陰陽師」のことなど、怪異(と一口に言っていいのか分かりませんが)の面白い知識を得ることができるので、ストーリー、登場人物だけでなく、知識欲的にも満たされました。

「京極堂シリーズ」、手を出して良かった!

1冊1冊が分厚いけれど、さらさらと読み進めてしまうほど物語の中に引きずり込まれます。

分厚いので「本の持ちづらさとか読みづらさとかあるかな?」と少し心配していたのですが、そのようなことはありませんでした。

ミステリー×怪異が好きな方は、ぜひ読んでみてください!

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