こんにちは、松波慶次です。
こちらは、2019年9月15日の読書記録です。
カズオ・イシグロさんの「わたしを離さないで」を読みました。
以下ネタバレ注意です!
タイトル:わたしを離さないで
著者:カズオ・イシグロ
あらすじ
キャシーは、保護官と呼ばれる先生たちとともに、ヘールシャムという施設で幼少期から青年期まで過ごす。
ヘールシャムで「提供者」として育てられてきたキャシーやその友達たちは、自分たちの存在や生きる意味を疑わず、楽しく過ごしてきた。
しかし、キャシーが大人になり、「提供者」の「介護人」になったとき、自分たちが生きる本当の意味を知る。
感想
ずっと読みたいと思っていた小説でしたが、やっと読みました。
想像していた通り、悲しいお話。
だけど、思っていたよりも明るい描写があり、そこは救われました。主人公である女の子、キャシーが友達ルースやトミーと繰り広げる会話や行動は一般的な人間です。
なんの疑いも持たずにヘールシャムで過ごし、大人になってから残酷な現実を突きつけられる。
心を持たない人間などいない。キャシーたちの立場になって考えると、ひどく苦しい。
あまり書くとネタバレになりそうなので、キャシーとルースの関係について書きます。
正直、ルースのキャラは好きません(笑)
実際に友達としていたら、嫌なやつだなーと思ってしまいます。
そんなルースとキャシーは仲良くできていたので、「すごいな」と思ってしまいました。
海外の小説や映画を観ていると、「え、そこでキレるの!?」という場面をよく見かけます。ルースの性格は、まさにそんな感じです。
怒りやすく、自己中心的。それが、ルースというキャラを際立たせていますが……一緒にいたら取り扱いが大変だ。
キャシーはさすが、長くルースと一緒にいるだけあって、取り扱いが上手でした。
微笑ましい話の中に、辛くて胸が締め付けられる真実が隠されている。
マダムの「かわいそうな子たち」という言葉に、泣きそうになりました。
読んで良かったです。
こういうことが、現実では起きていないことを、願います。
エンタメ系の読書記録はこちら
私の著書一覧はこちら