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【我が心の底の光】凄惨な人生の青年が引き起こした衝撃の切ないラスト

こんにちは、松波慶次です。

今回は『我が心の底の光』をご紹介します。

切ない……。

以下ネタバレ注意です!

タイトル:我が心の底の光
著者:貫井徳郎

あらすじ

峰岸晄は、小学生のときに同級生から万引きをさせられていた。しかし、晄は「いじめられている」のではなく、「ただ断るのが面倒臭いだけ」という。

育児放棄をした母親と、その母親を殺した父親を両親に持つ晄。

その後も彼の人生は決して全うとは言えない。果たして、暗い人生を歩む晄の思惑とは?

感想

相変わらず、貫井徳郎さんの文章は読みやすいですね。

冒頭から物語の世界に入り込んでしまいました。

最初は、晄はいじめられているのかな?と思ったのですが、そんなことはない。

彼は、幼い頃に父が家を出て、その後、母に育児放棄され餓死しかけるという凄惨な幼少期を過ごしていたゆえ、何もかも達観するような性格になってしまったのです。

いや、達観と言っていいものか。彼は「どうでもよくなっていた」のでしょう。人生に対して。

その後も、彼は取り立て、地面師、人1人の店を潰す、会社を潰すなど犯罪を行い、暗い人生を歩んでいきます。

しかし、それは、すべて復讐だった。しかも、その復讐で犠牲になったのは、晄に良くしてくれた幼馴染みの女の子だった。

まさかの選択、結末。そのすべては、幼少期の飼い猫に起因している。

その理由が、いかにも晄らしく、しかし、その理由は晄だからこそであるとも言えるのです。

いいラストだったと言えるのですが、もっと、晄の人生を見たかった。

そんな感想を、抱きました。

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