【鉄の旋律】手塚治虫が描くサイコサスペンス|短編漫画3作収録

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こんにちは、松波慶次です。

今回は、小説ではなく漫画のご紹介です。

手塚治虫氏の漫画、「サイコサスペンス」ということで面白そうだと思って読んでみました。

以下ネタバレ注意です!

タイトル:鉄の旋律
作者:手塚治虫

目次

あらすじ

妹の結婚相手であり、友達であるエディがマフィアだった。「裏切りは許されない」という掟によって、偶然にもエディたちの怒りを買ってしまった壇は、両腕を切り取られてしまう。

自分を助けてくれなかったエディへの復讐を決意した壇は、PK(念力)で動く義手を手に入れる。

銃を撃つ練習をし、着々とエディを殺す準備を進めていた壇だったが、自分が手を下していないのにエディの周りの人間が殺されていく。まさか、義手が勝手に?ーー『鉄の旋律』

【収録作】
・鉄の旋律
・悪魔の開幕
・イエロー・ダスト

感想

手塚治虫といえば、『鉄腕アトム』『ブラックジャック』『ジャングル大帝』など、誰もが聞いたことのある作品を数多く出している漫画家さん。

でも私はどの作品もしっかりと読んだ記憶がなく、世代的にちょうどアニメ放送(リメイク版)していた『鉄腕アトム』や『ブラックジャック』もきちんと見ていなかったのです。最近急に『ブラックジャック』が読みたくなっていて、アニメをちゃんと見なかったことを後悔しています……。

『どろろ』は小説は読みました。とても面白かったです。実写映画も見ました。近年放送したアニメ版があるので、そちらも最近見たい欲が上がっている最中(知人に「原作に忠実」だと聞いたので。それに主題歌がamazarashiの「さよならごっこ」ですし。amazarashi好きなんです)

前置きが長くなりましたが、何が言いたいかというと、手塚治虫の作品はそんなにちゃんと見たことがないということです。

そしてイメージは、アトムのようにファンタジーというか、子供向けの作品というか、いわゆる「万人受け」する作品が多いというものでした。

そんな手塚治虫の「サイコサスペンス」の漫画。もともと、手塚治虫は「キラキラ」したような作品を書いていない、暗い、意味深みたいな話は聞いたことがありましたが、それでも「手塚治虫」と「サイコサスペンス」が結びつくのはなんだか違和感がありました。

サイコサスペンスは大好物ですし、それを手塚治虫が書いているなら面白そうだと思って購入した本作。

3作収録ですが、どれも面白かったです。人間の汚いところ、勝手なところ、欲望、純粋さ、憎悪などが描かれていて、どれもラストが気持ちよくない(私は好み)。

表題作の『鉄の旋律』が物語としては一番長いです。でも個人的には3作目の『イエロー・ダスト』が一番好きかな。身勝手さに溢れているし、救いがない、スッとしない。もちろん褒め言葉です。

「くすっ」と笑ってしまうという意味で面白かったのは、全体的に緊迫したサスペンスの物語なのに、サブで登場した刑事に矢印で「こうゆうズッコケ刑事もたまにいる」(実際はローマ字表記)と手塚治虫の言葉が出てきたことです。ほかにも「赤塚不二夫」という名前が出てきたりなど、物語のなかに少しだけリアルが入ってくることもあって、手塚治虫は結構おちゃめな人だったんだなと思いました。

手塚治虫の作品、またいろいろと見てみたいと思います。小説でも漫画でもアニメでも。

手塚治虫が描くサイコサスペンスが気になる方は、ぜひ『鉄の旋律』を読んでみてください。

サスペンス小説の読書記録はこちら

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