こんにちは、松波慶次です!
最初、この本のタイトルを聞いたとき、「天使っていうくらいだからいい話なんだろうな~」「青春やヒューマンドラマものかな~」なんて思っていましたが、とんでもない誤解でした。
そんな超誤解作、ご紹介します。『天使の囀り』です。
以下、ネタバレ注意です!!
タイトル:天使の囀り
著者:貴志祐介
あらすじ
精神科医である北島早苗の恋人、高梨はアマゾンの調査隊に参加した。高梨は死恐怖症であったが、アマゾンから戻ってくると人が変わったような言動をするようになり、まるで死に焦がれるように自殺をしてしまう。
その他、アマゾン調査に参加したメンバーも不可解な自殺をし、疑念を抱いた早苗は原因を調査することにした。
しかし、その調査の果てに辿り着いたものは、身の毛もよだつ恐ろしい原因だった……
感想
おいおい全然「天使」じゃねーよ!
いい意味で期待を裏切られたよ!
さすが貴志祐介さん! そりゃそうだ! 貴志さんが「ただの天使」を書くわけがない!(←失礼)
天使というか、悪魔というか……っていうか寄生虫って!! 恐ろしすぎるわ!!
最初、不可解な自死をしていく人たちに何が起きたのか、予測した結果、辿り着いたのは「呪い」でした。
ですが、呪いだとしても、アマゾンメンバー以外の人物の話も出てきたので、「アマゾンで呪いをかけられたわけじゃないんだろうな……」と思い直し、「じゃあこの原因はなんだ!?」と思考は行き詰まり……。
そして、明らかになったのが「ブラジル脳線虫」という寄生虫の正体。「ブラジル脳線虫」は架空の寄生虫ですが、私は寄生虫が恐ろしいことは知っています。
よく、エンタメ番組で「○○という寄生虫に寄生された人物」「○○という寄生虫に寄生された虫」などを観たことがあるので、危ないやつだと認識しています。
その中でも印象に残っているのが、カタツムリに寄生する寄生虫の話。カタツムリに寄生した寄生虫は、カタツムリを操り、鳥に食べられるよう葉っぱの上に移動する。そして鳥に食べられ、鳥の糞として寄生虫は排出され、また別の生物に寄生する。
カタツムリに寄生している寄生虫の姿が忘れられません。カタツムリの片方の目の先端に、緑色の生物が入っているように外からは見受けられ、その生物は、カタツムリの目の中で前へ前へと動いているのか、地を這うように躍動しているのです。
カタツムリの見た目は、片方の目だけ異様に太く、皮膚?の下に緑色のイモムシのような生物がいる。そんな感じです。
あれは非常に気持ち悪く、恐ろしさを感じました。その寄生虫の名前は憶えていないですが、今作に登場するブラジル脳線虫も、寄生主を操ります。
本当に恐ろしく、おぞましい。この小説を読んでいただければ、さらに恐怖は増大し、寄生虫への警戒も増すでしょう。
ブラジル脳線虫に寄生された原因がウアカリという猿の肉を食べたということだったので、変なモノを食べないようにすることも大切ですね。
現在騒がれているコロナウィルスや、過去に世界中に蔓延した感染症、ペストやエボラなども、コウモリなどの野生動物を食べたことで感染、発症しています。(コロナウィルスの原因については「かもしれない」ですが)
日本でも、むやみやたらに動物を食べないことは大切ですが、海外ではなおさら、安全が保証されている食べ物以外は口にしないことですね。
グロイ表現もあり、内容的にも凄惨で読んでいて辛いものもありますが、胸を張っておすすめできるほど面白い作品です。
ぜひ、まだ未読の方は読んでみてください。
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