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【太陽のかけら~ピオレドール・クライマー谷口けいの青春の輝き~】人を魅了する彼女の生き方とは

こんにちは、松波慶次です。
今回ご紹介するのは、『太陽のかけら~ピオレドール・クライマー谷口けいの青春の輝き~』です。

タイトル:太陽のかけら~ピオレドール・クライマー谷口けいの青春の輝き~
著者:大石明弘

目次

内容

2015年12月22日。谷口けいは2000メートルにも満たない山で生涯を終えた。エベレストなどいくつもの高度な山を登っていた彼女だったが、北海道の黒岳で滑落したのだ。

そんな彼女の小学校から大学生まで、そしてアルパインクライマーとしての挑戦、生き方を綴った評伝。

感想

谷口けいさんの生き方は、とても輝いていました。彼女が自分の気持ちに正直に、やりたいことはやる、挑戦したいと思ったら挑戦してみるという意志を貫いたことで、数々の山を登頂し、また、多くの人を魅了したのだと思います。

私は、この本を読むまで、谷口けいさんのことを存じ上げませんでした。登山家、冒険家ですと、植村直己は知っていましたが、それでも、漠然と「冒険家」だというくらいの知識で……谷口けいさんのことは、名前も聞いたことがなかったです。

しかし、この本を読み、私は谷口さんに尊敬の念を抱き、また、ご存命であればぜひお会いしたかったと思わざるを得ませんでした。

彼女の魅力は、自分の気持ちにまっすぐで、なんでも気持ちが動いたら「挑戦」していたこと。なんでも自分の「弱さ」のせいにし、周りのせいにしなかったこと。自分の気持ちを押し付けることなく、他者を尊重しながら、気にかける優しさがあったこと。

一人の人間として、人の心を惹きつける魅力にあふれていて、「太陽みたいな人だったんだな」と眩しく感じられます。

谷口さんには到底及びませんが、趣味レベルで私も登山経験があります。富士山や2000メートル以下の山に何度か登ったことがありますが、雪山だったり、クライミングをしたりするような危険な行程ではありません。

山を登っている最中、いつも「クマが出ないかな」とか「道に迷わないかな」とか、楽しさとともに不安を抱いていますが、谷口さんは6000m、7000m、8000m級の山に登るときにも不安なく楽しみながら挑戦していたので、クライマーとしても本当に強い精神を持っていたのだと思います。

雪山など危険な山に挑戦したいという気持ちは、恐ろしくて湧いてきませんが、この本を読み、エベレストの頂上からの景色など、数々の大自然の景色は、自分の世界観が変わりそうなので一度自分の目で見てみたいと思ってしまいました。そう思ってしまうほど、楽し気で、生き生きとした谷口さんがいました。

また、黒岳は登ってみたいと思いました。雪山ではなく、春や夏、秋などに。それならそこまで危険ではな……い……? どうなんでしょう。でも、谷口さんが最期にいた場所を、見てみたい思いや、登ってみたい気持ちは湧きました。

谷口さんとは登山レベルや登山(冒険)にかける思いが全然違うけれど、山登りやハイキング、トレッキングが好きなことは同じです。

だから私は、これからも趣味レベルでの登山を楽しみたいと思います。そしてきっと、山に触れるたび、谷口さんのことを思い出すでしょう。