こんにちは、松波慶次です。
今回ご紹介するのは、『書楼弔堂』シリーズ1作目の『破曉』です。
以下ネタバレ注意です!
タイトル:書楼弔堂・破曉
著者:京極夏彦
あらすじ
時は明治20年代。高遠は、「弔」という文字が掲げられた本屋を見つける。
その人に合った1冊を売ってくれるその本屋には、勝海舟や岡田以蔵など、多くの名の知られた人物たちが寄っていくーー。
挿絵有の、シリーズ第1作。
感想
結論から言うと、私個人的にはハマらない作品でした。
弔堂という本屋にさまざまな人物が立ち寄り、章ごとに完結していく作品ですが、単調といいますか、盛り上がりに欠けるといいますか、あまり面白いと感じられず、ほとんど流し読みでした。
「日常」を描いている感じです。
時代が時代なので、勝海舟や岡田以蔵など、知っている歴史上の人物が多く登場しました。榎本武揚や福沢諭吉など、有名な人物の名前も多く登場するのでそこはテンションが上がりました。
章ごとのラストは、「誰も知らない」という言葉で統一されています。その点については、とてもきれいな終わり方だと思いました。
今作を読んでいて思ったことがあります。それは、決め台詞を自作にも入れ込みたいということです。
例えば、今作ですと「どのような本をご所望ですか」。同著者の百鬼夜行シリーズ・中禅寺の台詞ですと「この世には不思議なものなど何もない」。
決め台詞を作ることは作品やキャラを印象付けることに繋がるため、自作の執筆の参考にしたいです。
作品のストーリー的にはハマりませんでしたが、さすが京極先生。小説の執筆に関しては、やはりとても勉強になりました。
このシリーズ、2作目も出ていますので、今作を読んでハマった方は次も読んでみてはいかがでしょうか。