こんにちは、松波慶次です!
今回ご紹介するのは『死神の精度』!
ブラックユーモア調で面白かったです。
以下ネタバレ注意です!
タイトル:死神の精度
著者:伊坂幸太郎
あらすじ
死神は、対象の人間を1週間観察し、8日目に「死」を与える「可」、もしくは「見送り」の判断を下す仕事をしている。
死神・千葉は、今日も仕事のため人間世界にやってきていた。
対象者は、暗い女、ヤクザ、老女などさまざま。一編一編にさまざまな人間模様がある、短編集。
感想
短編集ですが、繋がっている。
読み進めて、繋がりを見つけると、嬉しくなりました。
千葉という死神の性格は、冷徹で、人間の言動への興味があって、あっさりとしている。
ステーキを食べる男に「死んだ牛はうまいか?」と、悪気もなく言ってしまう(これは面白い。使ってみたい言葉だと思いました笑)。
対象者が何か秘密を抱えていても、興味がない。しかし、話を続けるために(「死」を与えるかどうかを判断するための調査=相手と話し、人を知る)質問する。
基本的に冷たいが、何か喋るとユーモア、もしくはブラックユーモアで面白い(千葉は真剣に話しているため、面白がられるのを嫌がるが)。
この作品の中で、恋愛、旅、老女の話がより好きでした。
恋愛は救いがなく、悲しい結末。
旅は、尖った刃が最後には折れ、それどころか熱に溶けるような結末で、すっきり。そして少し感動。
老女の話は、いままでの短編と繋がりがあり、ジグソーパズルのピースが揃っていくようで嬉しかったです。老女のあっけらかんとした態度も、清々しかった。
千葉さんのキャラも、ストーリーも楽しめたので、続編である「死神の浮力」も読もうと思います。
読み終わりましたら、またご紹介しますね。
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