こんにちは、松波慶次です。
今回ご紹介するのは、『新・怖い絵』です。
怖い絵シリーズ、どれを読んでも面白い!
以下ネタバレ注意です!
タイトル:新・怖い絵
著者:中野京子
あらすじ
一目見ただけで「怖い」と思う絵画。
美しい、もしくは楽しそうで、「何が怖い」のか分からない絵画。
「怖い」と思えても「怖くない」と思えても、その絵画を描いた画家や歴史的背景を知ると、恐怖は増幅する。
『怖い絵シリーズ』の今作、絵画20作品の解説本。
感想
今作で衝撃的だったのは、殺人犯の描いた絵が収録されていたこと。画家の名は「ゲイシー」。
画家と呼んでいいものか……ピエロが描かれた絵は、一見どこが怖いかよく分からない。ただ、どことなく不気味。
そして、中野さんの解説を読んでいくと、まさかの殺人犯!
もう、その犯行内容に凄まじい恐怖を覚えました。しかも、あの有名映画「IT」のピエロのモデルとのこと。怖いわけだ。
いままでの『怖い絵』とはまた違った趣向で面白く、だからこそ強烈に印象に残りましたね。
他には「ローマのペスト」。
タイトルから凄惨な状況が浮かぶ方もいるかもしれませんが、絵画は綺麗なんです。美しい白い翼をもった天使が、目を引きます。
しかし、ペストですからね。絵の中には強烈な”死”が漂っています。なぜそんな中に天使がいるのか。その意味を知ると、恐怖が襲ってきます。
絵画は、小説のように文章で背景や気持ちを表すことはできません。そのため、小物を配置するなどして背景や気持ちを表すのだそうです。
そういうことを知ると、絵画を隅々まで見る、描かれている人物の気持ちを想像するなどして改めて絵画を楽しめますね。
絵画好きな方はもちろん、歴史好き、本好きな方にも楽しめる作品ですので、気になった方はぜひ読んでみてください。