こんにちは、松波慶次です。
「読者が犯人」というあらすじが気になり手に取った一冊、『最後のトリック』をご紹介します。
以下ネタバレ注意です!
タイトル:最後のトリック
著者:深水黎一郎
あらすじ
香坂誠一なる者から、物書きである私のもとに手紙が届いた。
その手紙は、よほどのミステリー好きが書いたのか、精通したようなことを述べた後、いままでにない「読者が犯人」というミステリーの案を2億円で譲るというのである。
果たして悪戯か、それとも本当に2億円で譲るつもりなのか?
読み終わったとき、「犯人は私だ」とあなたは思うーー。
感想
どのように、「犯人は私だ」と思わせるのだろうと、わくわくしながら読み進めました。
終盤、「犯人は私だ」と思わせる種明かしが始まるのですが、そのときは正直、「いやいやそれはいくらなんでも……無理があるでしょ~(笑)」と、これで「犯人は私だ」と思わせるのか、そうかそうか。というように、軽く笑っていられました。
しかし、終盤のもっと終盤。
畳み掛けるような香坂の死に対する追究に、
あ……これは……
私は、人ひとりの命を奪ってしまったのだ……
そう気持ちが切り替わるまでになっていました。
登場人物がストーリーに対して多すぎる感じもしましたが、それでも、「読者を犯人」にする方法、小説の読ませ方は面白かったです。
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