【リーダーはじめてものがたり】リーダーじゃない人も必読!人間力向上

こんにちは、松波慶次です!

もらいものの本で、最初は「自己啓発本系か」と読む気がなかったのですが、ページを開いてみると小説形式で「なんか面白そう」と感じ、読み始めました。

結果、読んでよかった! とても面白かったですし、ためになりました。

以下ネタバレ注意です!

タイトル:リーダーはじめてものがたり
著者:播摩早苗

目次

あらすじ

営業プレイヤーとして優秀な池田毅一(きいち)は、若くして5人の営業メンバーをまとめるリーダーを任された。

自分もプレイヤーとして活動しつつ、メンバーもまとめる……最初は自分を育ててくれたリーダーを模倣し、「リーダーたるもの甘やかしてはいけない」「舐められたらいけない」と厳しく接していた。

しかし、メンバーとの間に溝が広がっていき、しまいにはみんな委縮したり嘲笑するような態度をとったりするように。

なんであいつらはリーダーである俺にあんな態度をとるんだ!? 何がいけないんだ!?

少年野球時代にお世話になった監督・小野さとみ(通称おっさん)に愚痴ったところ、池田にとって理解できないことをおっさんが言いだしてーー。

おっさんとの会話を通じて、リーダーとして成長していく池田の物語。

感想

『リーダーはじめてものがたり』という名前のとおり、初めてリーダーになった池田がおっさんのアドバイスを受け、試行錯誤しながらメンバーと信頼関係を築き、さまざまな困難を乗り越えていく物語です。

これは「リーダーになったばかりの人」だけでなく、すべての人にためになることが書かれていました。例えば、「承認力」。「私はあなたの存在を受け入れていますよ」「いつも見ていますよ」という承認力が、相手の安心感になる。「髪切った?」「ネクタイ変わった?」。些細なことでいい。特別なことじゃなくてもいい。ただ、見て、思ったことをいうだけでいい。それだけで、相手を承認したことになり、相手の安心感になる。

承認することは、メンバーや部下が相手でなくても、誰にでも心地よく、安心できることだと思います。よく、「愛の反対は無関心」といいますが、承認しない(存在を受け入れていない)、まったく見ていないという状況は、無関心と一緒ですよね。

ほめなくていい。ただ受け入れればいい。そうおっさんに教えられた池田は、「今日もネクタイかっこいいね」などと褒める大変さから解放され、気楽に「承認力」を発揮できるようになりました。

池田が変わり始めたのは、「承認力」を鍛え始めたときからです。最初は半信半疑だったおっさんの言葉を信じ、承認していってから、メンバーの態度も軟化し、池田のせいで暗かった職場も明るく、軽口が飛び交うようにもなりました。

その後、新商品プレゼンと営業成績1位の2冠を達成するためにメンバー一丸となって進んでいくのですが、その間にトラブルが起きたり恋人に別れ話をされたりと、池田はいろいろなことに翻弄されます。しかし、そのたびにおっさんの言葉で事態を打開したり自分で考えて気づきを得たりして、乗り越えていきます。

読みながら、池田に対し、最初は「うわぁ、嫌な上司だなぁ」と思っていたのですが、だんだん「面白い上司」「信頼できる上司」に印象が変わってきて、最終的には「この上司なら一緒に働きたい」と思えるまでになりました。頼りがいがあって、叱るときは叱る「本質」をきちんと伝えてくれて、挨拶をして感謝を伝えて、自分の感情をしっかりと出してくれる。

メンバーからの挨拶に「目下のものが挨拶するのは当然。舐められないように威厳を見せなければ」とただ頷くだけで挨拶を返しもしなかったころとは見違えるほど変わりましたよ、池田。

物語のなかで、池田は「左遷させようと、俺が失敗するのを見越してリーダーを任せた」と言っていましたが、私は「リーダーとして上手くやれる(生まれ変われる)可能性があるから、池田の上司は人事異動で池田にリーダーを任せたんじゃないか」と思います。

最終的に、営業成績1位、プレゼンも実質1位だったのにソウルへ異動になったのも、外国という人材育成が難しい環境でも池田には成し遂げられると思われたからだと思いますし、やっぱ最初から期待されていたんでしょう。

見事に期待に応え、人間的に大きく成長した池田は、すごいですよ。「自分を変える」って難しいのに。

でも、彼女がいるのに女子大生を家に呼んだりとか、ちょっと女たらしなところがちょっとな笑 ダメだぞ、池田。

小説形式ですが、ポイントの文章が太字になっていたり、「訓え」が数ページごとにまとまっていて最後におっさんやメイドカフェのみどりちゃんが要点を押さえてくれているので、わかりやすいです。本の最後にはリーダーの悩み別におっさんの訓えが何ページにあるかも示してくれていて、困ったときにスムーズに必要なポイントを拾えますよ。1冊持っておくと安心です。

おっさんの訓えを一部ご紹介しますね。

  • 要望だけしていたら傲慢しか伝わらない
  • 承認は、成長や成果を認めること。言葉にして伝える
  • 人は安心できないと実力発揮できない
  • メンバーには個性がある。リーダーはメンバーが成果を出すかにビクビクせず、信じる
  • 感情は人の燃料。リーダーにできることはメンバーの感情を燃えやすくすること
  • メンバーの強みはリーダーの資源
  • リーダーに責任のないメンバーのエラーなんてない
  • 励ましの言葉より、恐れている思い込みを変えてあげる

『リーダーはじめてものがたり』は、コミュニケーション能力を高めたい人、リーダーになったばかりの人、現在リーダーの人、周りの人と良好な関係を築きたい人におすすめです!

ほんと、気づきが多いので、ぜひ読んでみてください!

ビジネス本や解説本などの読書記録はこちら

私の著書一覧はこちら

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次