こんにちは、松波慶次です。
小説投稿サイト「エブリスタ」に投稿していた短編コメディ小説「摩訶不思議戦国アドベンチャー」第15弾。
信長の小姓、森蘭丸と堀秀政が登場します。
※執筆時期は1、2くらい前
目次
年頃男子
私の名前は森蘭丸。織田信長様の小姓をしている。
信長様のことは尊敬しているし、魔王のような信長様に可愛がられているし、正直いいポジションだとは思う。
しかし、最近思うことがあるのだ。
「なんかさー。年相応の遊び、したいと思いません? 堀殿」
「なぜ俺に聞く、蘭丸」
同じ小姓仲間の堀秀政殿は、刀身を剥き出しにした刀で素振りをしている。
いまは乱世。刀を握らねばならぬのは重々承知しているが、汗を流しながら素振りをしている堀殿を見ていると虚しくなってきた。
「あー、任天堂スイッチやりたいなー」
「時代錯誤も甚だしいぞ、蘭丸」
「じゃあ、スーファミでもいいです」
「そういう問題じゃない」
「分かりました、ゲームからは離れます。野球やりたいなー」
「……野球なら、できるんじゃないか?」
すると堀殿は、持っていた刀をバットに見立てて構えた。私は急いで近くに落ちていた柿の実を拾い、堀殿の刀に向かって投げる。
「わっ! 馬鹿っ!」
咄嗟にスイングした刀は柿の実を綺麗に切り、柿の飛沫が堀殿の顔に広がった。
「柿の実じゃボール代わりになりませんね。何か他のものを……」
「……蘭丸、鬼ごっこやろうや」
ヒヤリと、背中を冷たいものが伝った。目の前で顔を拭う堀殿の顔は、笑顔を浮かべた般若そのものだった。
「もちろん、捕まったら死ぬってルールな」
「ちょっと堀殿! 怒りすぎ! ってか、鬼ごっこにそんなルールは元々ないです!」
「俺が作った。いいから大人しく斬られろ!」
こんな危険な鬼ごっこより、任天堂スイッチやりたいです!
完
あとがき
こちらを読み直し、この作品を書いた当時も、任天堂スイッチが主流ゲーム機だったことにちょっと驚きました。
ゲーム機って、次々に新しいものが出るじゃないですか。
ですので、任天堂スイッチがいまも健在なことに「おぉ」と感心(笑)
「どうぶつの森」や「スプラトゥーン」で、スイッチ熱はまだまだ冷めない感じがしますね。
しかし、そのうちPS5が出るらしいので、スイッチもまた、古いゲーム機になっていくのですね。
……PS5のグラフィック、予告映像で見たのですがリアルすぎてびっくりです。