こんにちは、松波慶次です。
サスペンス×ショートストーリー『来世、来世、そしてまた、来世』の小説と朗読動画を載せています。
あらすじ
一回目の「人」でも、次は「猫」でも、「人」の二回目でも、私はあなたを待ち続ける。
私はあなたのことが、好きだから。
小説『来世、来世、そしてまた、来世』
文字数:約500字
〈人(一回目)〉
待っている。
毎日、公園のベンチに座り、お気に入りの作者の本を読み、あなたを待っている。
春。
桜の花弁が散る中で。
夏。
新緑の木陰の下で。
秋。
紅葉が鮮やかな木の下で。
冬。
粉雪が降る白銀の世界で。
〈猫〉
待っている。
大好きなあなたが、拾ってくれるのを待っている。
薄汚いダンボールの中で、首を長くして。
朝。
太陽に照らされ、眩しくて目を開ける。
たくさんの人が行き来しても、あなたはいない。
昼。
数人の人間が、ゴミとして食べ残しを投げてくる。
あなたはまだいない。
夜。
寒くて、身を丸める。
こんなに縮こまっていたら、あなたに見つけてもらえない。
こんな毎日を繰り返し、私は死んだ。
〈人間(二回目)〉
待っている。
あなたの後ろを歩きながら、あなたが振り向いてくれるのを、待っている。
コンビニ。
また缶コーヒーを買って。
カフェインの摂りすぎよ。
会社。
爽やかな笑顔を誰彼構わず向けるのは、妬けるわ。
あなたは自分の魅力に気付いてない。
家。
誰と話してるの?
なんで私というカノジョがいながら、別の女と話してるの?
私を愛してくれないあなたを殺した私を
あなたが愛してくれるのを、私はずっと
待っている。
現世がだめなら、来世まで。
この淡い恋心を抱きながらーー。
朗読動画『来世、来世、そしてまた、来世』
動画時間:約3分
あとがき
いないことが望ましいのですが、出かけたときとかに、捨て猫いないかなと思ってしまいます。
段ボールが道の端に置かれていないか、子猫が道の真ん中でその名のとおり路頭に迷っていないか、困っている猫ちゃんがいないかなど、車を運転しながら、歩きながら、気になってしまいます。
いないことが一番です。捨てられる猫も、苦しんでいる猫も、いないほうが平和です。でももしいたなら、助けたい。そういう思いで、目を走らせてしまいます。
もちろん、猫に限らず。わんちゃんでもなんでも、困っている動物がいたら、助けたいですね。
