【パン屋再襲撃】村上春樹の短編集!不思議でユニークな6作収録

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こんにちは、松波慶次です!

私は村上春樹氏の小説に読みづらさを感じていたのですが、本作は読みやすく、面白かったです。

以下ネタバレ注意です!

タイトル:パン屋再襲撃
著者:村上春樹

目次

あらすじ

昔、飢えを凌ぐためにパン屋を襲撃した男は、妻に促されてパン屋を再襲撃することに。

しかし真夜中に開いているパン屋はなかった。そこで狙いを付けたのはマクドナルドだったーー。

表題作『パン屋再襲撃』ほか、下記5作収録の短編集。

  • 象の消滅
  • ファミリー・アフェア
  • 双子と沈んだ大陸
  • ローマ帝国の崩壊・一八八一年のインディアン蜂起・ヒットラーのポーランド侵入・そして強風世界
  • ねじまき鳥と火曜日の女たち

感想

私は昔、村上春樹氏の『1Q84』を読みました。きっかけは、当時話題になっていたからです。初作家さんでしたが、面白いと評判だし面白いだろうと思って読んだら、面白いといえば面白いけど……という感じでした。読みづらさがあって、面白さもあまりわからなくて、『1Q84』で記憶にあることといえば「青豆」という女性が出ていたことくらい(出てたよな?)。

そこから、村上春樹氏の作品は私には合わないと思っていたのです。

しかし最近、私が村上春樹氏が読みづらいようなことを知人に話したら、その知人が「じゃあ」と勧めてくれたのが『パン屋再襲撃』。話がとにかく面白いし、短編やエッセイは読みやすいよとおすすめされたので、読んでみることに(本作と一緒にエッセイも購入)。

率直な感想は、面白かった、です。

全体的に、洋画に出てくるような登場人物の会話(話し方や言い回し)で、そのなかで日本の地名が出て舞台が日本であることを示されると「んん?」と違和感はありましたが、内容はスラスラ入ってくるし読みやすいしストーリーも面白いしで、「あれ? (会話や比喩はそうだけど)村上春樹ってこんな感じだったっけ?」と思ってしまいました。

いい意味でよく分からない話もありましたが、それでも「面白い」と思える短編集でした。

個人的に一番好きなのは『象の消滅』。市が飼育している高齢の象と象を長年飼育している飼育員が突如姿を消したというお話ですが、なぜ象が消えたのかの理由がわからずじまいでも、登場人物の個性や「象の消滅」という出来事と取り巻く環境が面白みがあって、特に楽しめました。

本作の短編集で多くの話のなかに登場したのが、「渡辺昇」という人物。ときには飼育員、ときには妹の恋人、ときには猫など、姿やポジションを変えて登場した「渡辺昇」。実はそれぞれの短編が渡辺昇によってつながっているのでは? と考えましたが、そういうわけではなく。そもそも、ポジションが違いすぎるので同一人物ではない。

ちょくちょく出てくる渡辺昇が新たに読み始めた短編内でも出てくると、「お、出てきた」と思いました。

村上春樹氏の作品は、本作の前は『1Q84』しか読んでいないのでわからないのですが、ほかの作品のなかにも「渡辺昇」はよく出てくるのでしょうか? それともこの短編集に収録されている短編のみに登場?

いやー、何か思い入れでもあるんですかね? ストーリーを読みながら、続きだけでなくそっちも気になっちゃいました。

私のように、村上春樹氏の小説が苦手と感じていた方は、まずは本作を読んでみると面白さに気付けるかもしれません。

気になった方は、ぜひ読んでみてください(^^)

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