こんにちは、松波慶次です。
今回は『悪寒』をご紹介します。
このタイトル、なんだか寒々としますよね。
以下ネタバレ注意です!
タイトル:悪寒
著者:伊岡瞬
目次
あらすじ
藤井賢一は、誠南メディカルから家族の元から遠くにある会社に出向していた。
ある日、妻から1通の不審なメールが届く。急いで家に帰ると、なんと、妻が賢一の上司である南田専務を殺害し逮捕されていた。
なぜ専務が自宅にいたのか。
なぜ妻は殺したのか。
賢一は妻を信じつつ、真相に迫っていく。
感想
『代償』(ドラマを見ました)で伊岡瞬さんを知り、今作が気になったので、読みました。伊岡さんの小説を読むのは初です。
文章や表現は分かりづらさもなく、スムーズに読むことができました。
今作のストーリー自体は、山や谷がなく、平地を進んでいる感覚でした。
そのため、盛り上がりがない感じ。ただ、それが悪いわけではなく、日常の中の非日常を主人公が感じているため、「平坦」なストーリーでもいいのかな、と。
途中で飽きることはありません。それよりも、妻が殺した→娘が殺した→母が殺した、と二転三転するので、真相を早く知りたくなります。
知りたくはなるけれど、少し冗長にも感じて、「結局誰が殺したんや!」ともどかしさを感じました。
結局、妻の妹である優子が殺したのですが、そこの真相は、驚きがなく……。
怪しさはありましたし、二転三転した事実に違和感が〜っと賢一がなったら、消去法で優子が犯人ということになります。
動機も、ちょっと急方向な感じがして……。優子の気持ちとか、考えとかが描かれていたので動機に頷くことはできるのですが、スッと入ってこない。
面白かったけど、「う〜ん」と思うところもある作品でした。
賢一の間の悪さや、うだうだと気の弱いところはイライラしましたし笑
最後、夫婦仲や家族仲が良くなってきたことは、良かったと思います。そこは、救いがありましたね。