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【猫の妙術ー武道哲学が教える「人生の達人」への道ー】生きやすくなる教え

こんにちは、松波慶次です。
今回ご紹介するのは、『猫の妙術ー武道哲学が教える「人生の達人」への道ー』です。

武道家以外の人にもおすすめできます。

以下ネタバレ注意です!

タイトル:新釈 猫の妙術ー武道哲学が教える「人生の達人」への道ー
著者:佚斎樗山(いっさい・ちょざん

訳・解説:高橋有

あらすじ

自分の剣術の道に悩む勝軒が家に帰ると、猫ほどの大きさの鼠がいた。退治しようにもちょこまかと動いて太刀打ちできない勝軒は、鼠捕りが得意な猫に鼠退治の依頼をする。

しかし、技を持つ黒猫、強い気を持つ虎猫、心で調和する灰猫の三匹ともまったく歯が立たない。

そんななか、一匹の老猫がいとも簡単に鼠を捕らえてしまった。なぜ老猫は鼠を捕らえられたのか?

武術家だけでなく、人生で「勝ち」「負け」にこだわっている人におすすめの一冊。

感想

帯文の「剣聖・山岡鉄舟も愛読した」は、歴史好きの私にとってピーンときました。といっても、そこに惹かれて読み始めたのではなく、最近武術(体術?)を始めて、おすすめされたので一読。

ビジネス書や論文みたいに書かれているのかと思いきや、前半はストーリーがあり、小説感覚で読み進められました。そして後半は、内容の解説。武術初心者でもわかりやすく、孟子や荘子、老子の言葉もあって面白かったです。

そもそも、『猫の妙術』は、江戸時代中期に書かれた剣術指南本だそうです。ただ、剣術指南本といっても、内容は剣術に限らず、現代において「勝ち・負け」にこだわっている人の考え方を変えさせるものでした。

「念」をもっていると考えて動くことになるから、自然に身を任せていない。でも、「感」を大切にすると、感じるままに動くから、自然となり「道理」となる。だからといって、「感」にこだわってもいけず、「道理」を知るには「技」を身につけるよう、修練していくしかない。

熱いものに触ったとき、何も考えることなく手を放すという、状況に適した行動をとる。感じたままに動けているから。それが「感」。

仕事で成功したい、彼女がほしいなど、こだわってはいけない。すべては自然の流れ。勝つときは勝し、負けるときは負ける。死ぬときは死ぬし、生きるときは生きる。

すべてを受け入れていくことで、道理に従い、浩然の気をまとえる。

むむむ。わかるようで難しいし、難しいようで理解できる。とりあえず、こだわらない生き方、道理のとおりの生き方をしていけば、勝ち負けや辛い、楽しいなどの枠組みがとれ、生きやすくなるのだろうな。