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【怖い絵3】メドゥーサ、ケンタウロス、聖母マリア……絵の中で生きる

こんにちは、松波慶次です。
今回ご紹介するのは、怖い絵シリーズ3作目『怖い絵3』です。

『怖い絵』シリーズの読書記録はこちら

以下ネタバレ注意です!

タイトル:怖い絵3
著者:中野京子

あらすじ

ミケランジェロやゴヤ、ダヴィンチらが描く「怖い絵」。

収められている20作の中には、「何が恐ろしいのだろう?」と首を捻るものも多い。

しかし、その絵画が描かれた背景や隠された秘密を知ると、「怖さ」があり、そして、何よりとても「面白い」。

20作収録の絵画の解説本第3弾。

感想

『怖い絵』シリーズを3作目まで立て続けに読んでしまいました。なぜなら、それだけ絵画の解説や、著者・中野さんの筆致が面白いから。その知識にも、驚かされます。

今作の中で私が印象に残ったのは、恐ろしい形相で立つ「皇女ソフィア」、とても美しい少女「ベアトリーチェ・チェンチ」、シーレの「死と乙女」、荒廃した街と人々を描く「ジン横丁」、なんだか不気味な「仮面にかこまれた自画像」です。

ソフィアは、もう、圧倒されます。ジャンピング土下座ならぬ、ジャンピングひれ伏しをしたくなるほど、凄味がある。

ベアトリーチェは、絵を部屋に飾っておきたいと思うほど、とても美しいです。可憐?可愛い?のほうが合っているかも。

だけど、彼女の生涯は悲惨。絵画の表情からは、薄幸が滲み出ています。だからこそか、ずっと見ていたいと思わせる、魅力があります。

シーレ「死と乙女」は、なんだろう、惹きつけられる。歪な男女が抱き合っている。いまにも脆く崩れそうな……そして、男の空洞の眼に吸い込まれる。

画家・シーレは残念な男でしたけど(笑)

「ジン横丁」はねぇ……パッと見たときはエッシャーの作品かと思いましたが、作者も違うし描かれている内容もかすりもしないような、人々の廃人っぷりです。

突き刺された子供、階段から落ちる子供、ジンを飲まされる子供……貧困という苦境にいたからといって、そこでさらに弱い立場の子供たちが救いのない状況に立たされているのは胸が痛みましたね。

「仮面にかこまれた自画像」は、不気味な仮面たちが印象に残りすぎます。作者・アンソールですが、周りから嫌われようが厭われようが我が道を往く姿勢が、私は結構好きです。自己中心的な人が実際にすぐそばにいたら嫌だとは思いますが、私は彼のことを知り、「嫌な奴だな、嫌いだ」とは思えませんでした。

むしろ、やはり、「好き」なほうかもしれないです(斎藤道三みたいな野心家や、三国志の呂布みたいに我が道を往きすぎるような人、好きなんだよなぁ)。

世界を仮装と捉える考えも、共感。人間、誰しも仮面を被っていますよね……。

と、そういうことで「仮面にかこまれた自画像」も印象に残りました。

あ、ミケランジェロの「聖家族」のマッチョ・マリアはぜひ見ていただきたい。ヨセフが「世界最初の寝取られ夫」と言われていることは、かわいそうだけど面白い……。(キリストの話に詳しくなかったのですが、今回の「怖い絵」シリーズで知識を得ました。そして、その意味に納得です(笑))

絵画や画家、歴史の知識がつくこの「怖い絵」シリーズ。気になった方はぜひ読んでみてください。

『怖い絵』シリーズの読書記録はこちら

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