こんにちは、松波慶次です。
今回ご紹介するのは、三島由紀夫の有名作『金閣寺』です。
以下ネタバレ注意です!
タイトル:金閣寺
著者:三島由紀夫
あらすじ
寺の子で、昔から吃りがある私は、同級生から吃りを馬鹿にされてきた。
そんな私は金閣寺の僧として暮らし始め、昔から抱いていた金閣寺に対する特別な思いを増幅させていった。
現実、私の思想にまで現れるようになった金閣寺。恐れと尊敬。
そしてついに、私は「金閣寺を燃やそう」と思い至るーー。
感想
三島由紀夫の作品は、『仮面の告白』しか読んだことありませんでした。それが気になったのも、中田敦彦氏のYouTube大学で紹介されていたのを見たからです。
気になって、小説を読んで、「三島由紀夫、面白い!」と心を掴まれました。
しかしそれ以後三島作品を読むことがなく、久しぶりに手を伸ばしてみたのが本作『金閣寺』。
青年が金閣寺を燃やす話。そのくらいしか予備知識を持っていなかったのですが、「有名な文学作品」だし、内容も気になったので、読んでみることに。
読んですぐ、洗練された比喩や描写に圧倒されました。美しい文章、言葉たち。
「『仮面の告白』もこんな感じだったっけ?」と軽くショックを受けながら、三島由紀夫の綴る文章たちに呑み込まれていきました。
「生」のために金閣寺を燃やす。美しく、尊敬し、恐れていた金閣寺を。そうすることで、「生」を実感できる。
本作の主人公の心情は、ぜひ小説を読んで、その生々しさを肌身で感じていただきたいです。
この「金閣寺を燃やす」話が実際にあった事件だったことは、小説の巻末で知りました。あの金閣寺が現実に放火されていたとは……(しかも1950年に)。
三島由紀夫の作品は読みやすいので、「文学作品苦手!」という方にもおすすめできます。
また、今作を読んでいる途中で「『ニッポニアニッポン』と似ているな」と思いました。主人公が強い意志を持って良くない方向へ行動するところが、です。
そちらの話も面白いので、気になった方は読んでみてください。