ひとりにしないで|誘拐された「私」に犯人が衝撃の一言を放つ……

こんにちは、松波慶次です。

今回は、著作『ひとりにしないで』の小説と朗読動画を載せています。

650字ほどのサスペンス×超ショートストーリー。

ぜひご覧ください!

目次

あらすじ

仕事帰りに突然誘拐された「私」。

犯人に殺されないように、機嫌を損ねないように。目隠しをされた状態で、犯人と過ごしていた。

でもある日、犯人が衝撃の一言を放つーー。

小説『ひとりにしないで』

文字数:約650字

私は誘拐された。
仕事帰りに、突然車の中に連れ込まれた。
目隠しをされ、後ろ手に両手を縛られる。口には布が押し込まれ、叫ぶことも封じられた。

車はしばらく走り続け、やっと車から降ろされると、今度は椅子に座らされ、相変わらず両手は後ろ手に縛られたまま、椅子に固定された。
救いだったのは、不快だった口中の布を取り出されたこと。
目隠しはされたまま。ここがどこかも分からぬまま、犯人である男は私の真正面に座り、取り留めのない話をする。
男ということは声で、真正面に座ったのが分かったのは椅子を引く音がしたのと、気配でだ。

私は男の話にきちんと相槌を打ち、会話をする。殺されないために。機嫌を損ねないように。
でも、男に私を殺す気配はない。食事もスプーンで食べさせてくれるし、トイレにも行かせてくれる。縛られている手が疲れたら、時々、解放してくれてストレッチもさせてくれる。

殺されない安堵と、このあと自分の身がどうなるのか分からない恐怖と戦いながらこんな生活が続いたある日、私を絶望に突き落とす言葉を、男が発する。

「飽きちゃった」

その言葉を最後に、男の声も、気配も、なくなった。
叫んだ。泣いた。必死に男を呼んだ。
だけど、誰も応えてくれない。無常にも私の声が響くだけ。
私がこのあとどうなるか。そのくらい分かる。
真っ暗な視界の中で身動きもできないまま、ただただ自分が衰弱し、餓死するのを待つだけだ。

男を呼ぶのも、待つのにも疲れ、椅子にもたれかかる。
私は誘拐された。
いまとなっては、真正面に座っていた男のぬくもりが、恋しい。

朗読動画『ひとりにしないで』

動画時間:約3分

あとがき

ストレッチって、大事ですよね。運動前にやれば、身体がほぐれて怪我のリスクが減るし、運動後にやれば、疲労が残らないというし。

私は結構怪我が多く、コリゴリしているので、運動前にはストレッチをするように意識しています。身体を伸ばすと気持ちいいです。特に、足裏の足底筋膜なんか、伸ばすのが結構気持ちよくて、好きなんですよ。コリ解消のために、首肩周りもよく動かしてますね。

こんなとりとめのない話まで読んでくださって、ありがとうございます! 

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