こんにちは、松波慶次です!
こちらも、『パン屋再襲撃』と同様、村上春樹が苦手だといったら「短編やエッセイは読みやすいと思うよ」と知人にオススメされた一冊。
読みやすいし面白かったです。
以下ネタバレ注意です!

タイトル:走ることについて語るときに僕の語ること
著者:村上春樹
あらすじ
ランナーとして、専業作家として。
走ることに取り組み、小説を書き、トライアスロンにも挑戦する村上春樹氏の走ることについての考え方、小説についてがまとめられた一冊。
著者の経歴や考え方もわかるメモワール。
感想
私は長距離走というものが苦手で、断固拒否ではないし、ちょっとしたマラソン大会なら面白そうだと思うくらい運動は好きなのですが、長い距離を走り続けるという行為が億劫といいますか、苦しいし疲れるしあまり乗り気ではないです。学校の体力テストや体育では、長距離走が一番げんなりする運動でした。
でもランナーとして活動・活躍する著者の話を聞いていると、「また走ってみようかな(健康のために一時ジョギングをしていた時期があった)」「トライアスロン面白そうだな(実は昔からやってみたい競技のひとつ)」と思えたりして、「走ること」に対する興味や意欲が湧いてきました(といっても、私はもっぱら短距離走型ですし、きっと寒いだ疲れるだを言い訳にしてきっと走らない……長距離走はなかなか重い腰が上がらないんだよな)。
本作で、私は著者がランナーであることやトライアスロンにも取り組んでいることを初めて知りました。そして、この読書記録を書いている2025年時点でまだ50歳代くらいだと思っていたら、まさかのもう76歳であることを知り、とても驚きました。なぜだか50代だと思っていたんだよな。なぜだろう……。
走ることだけでなく、専業作家として、小説を書くことについても綴られています。小説家にとって重要な資質は、1.才能、2.集中力、3.持続力。著者の小説家についての考え方、小説を書くことについての思い、ご自身の生き方なども綴られていて、とても興味深く、楽しく読めました。
走ることが好きな人もそうでない人も、きっと共感や興味・関心などを抱きながら楽しくスラスラと読めると思います。また、小説を書く人にもオススメしたい一冊です。著者の綺麗な比喩やくすっと笑えてしまう心の声にも注目です。ひとりでふふっと笑いながら読みました。
私は前に『1Q84』を読んだきり村上春樹氏の長編小説は読んだことがないのですが、長編小説にも再度挑戦したくなりました。いまなら読みやすく、面白さも理解しながら楽しく読める気がします。
