こんにちは、松波慶次です。
今回ご紹介するのは、『愚行録』です。
久しぶりに貫井さんの作品を読みました~♪
以下ネタバレ注意です!
タイトル:愚行録
著者:貫井徳郎
あらすじ
平穏で周りから羨ましがられる一家四人が何者かに惨殺された。
怨恨か、物盗りか。一家の夫婦を良く知る人々にインタビューする形で物語は進行していく。
しかし、”理想の夫婦””理想の家族”だったはずが、浮き彫りになってくるのは”愚行”……。
そして、”愚行”であるのは夫婦だけではなかったーー。
感想
久しぶりの貫井さん作品。貫井さんは、『慟哭』が有名ですよね。『慟哭』は、前に本好きな職場の上司が紹介してくれて、本までくれたんです。それで初めて存在を知り、読んで、貫井さんの魅力にとりつかれました。
そんな貫井さんが書いた作品だから今回も期待して読んだら、無論、面白かった。
一家四人の惨殺事件。夫婦を知る人々が語るインタビュー内容と平行して、ある兄妹の独白も書かれている。
兄妹の独白と書きましたが、独白しているのは妹です。妹が、兄に昔話を聞かせるように語り続けるのです。読んでいてイヤな気持ちになる、家庭環境を。
そして、インタビュー内容と独白が交わったとき、「なるほど、そうくるか~」と思いましたね。
そのときは、真実を確かめるためページを戻り、確認しました。
このまま犯人が分からないんじゃないかともやもやしていた気持ちが、晴れました。本当に、最後の最後のほうで。インタビュアーの正体にも衝撃。
本の解説まで読んで『愚行録』の意味にも改めて気付かされましたね。殺された夫婦、インタビューを受ける人々……言葉の端々から、その人の性格が滲み出ている。登場人物の一人一人の「本性」にも注目です。
最後に。読み始めてすぐ「これは”世田谷一家殺人事件”をモチーフにしているんじゃないか?」と思いました。殺害方法や侵入経路、犯人の行動パターンなどが、似ていると思ったのです。
気になった方は、そちらの事件も調べてみるといいかもしれません。未解決事件です。