こんにちは、松波慶次です。
小説投稿サイト「エブリスタ」に投稿していた短編コメディ小説「摩訶不思議戦国アドベンチャー」第11弾です。
真田信之と幸村の兄弟が登場します。
※執筆時期は1、2くらい前
目次
得物変え
「兄上、私(わたくし)、得物を変えようと思います」
突拍子も無い、弟である幸村の発言で、真田信之は飲んでいたお茶を喉に詰まらせ咳き込んだ。
「ごほっげほっ! な、幸村? どうした? いまや大人気の十文字槍が不服か?」
信之は幸村の十文字槍を頭に浮かべる。現代では、真田家も人気、幸村も日本一の兵(ひのもといちのつわもの)と讃えられ人気、そして得物である十文字槍も、その名が知れ渡るほどに人気。
それなのに、その人気で、幸村の代名詞である十文字槍を変えようと言う幸村の意図が分からなかった。
幸村は黒目を左右に動かし、んーと悩む素振りを見せたあと、口を開いた。
「飽きた」
「飽きた!?」
またしても弟の予期せぬ発言に、信之は若手芸人ばりのツッコミを入れ、身体を仰け反らせた。
少し変わった弟だと思ってはいたが、理由が理由だけに信之は幸村の本質を心配した。
「なんか、もっと変わった得物がいいです」
「……一応聞くが、どういうのだ?」
「鎖鎌とか」
信之は、鎖鎌を持ち戦さ場を駆ける幸村を想像してみる。だが、十文字槍を持つ幸村ばかり見てきたから、やはり物足りなく感じた。
しかも、馬に乗っていたため鎖が馬に絡まり、馬は倒れこみそのまま幸村も投げ出されてしまった。
「いや、やめとこう。なんか色々危ない」
「そうですか。かっこいいと思ったのですが。では、大剣」
「たい、けん?」
幸村のチョイスに、信之は某ゲームの影響かとまたしてもツッコミを入れたくなった。だが、グッと堪え想像してみる。
大剣を背負った幸村が戦さ場を駆けた途端、足首が大剣に刺さって幸村は転がった。そして、痛みで足首を押さえながらもんどりうつ。
「幸村、ダメだ。脚が斬れる」
「えー? 兄上、私が言うものなんでもダメって言う」
「お前のためだ、幸村」
子供のように頬を膨らませ怒る幸村を宥め、信之は淹れ直したお茶を口に含む。
「じゃあ、今度慶次殿に相談してみるかな」
「幸村、慶次殿はやめろ」
信之は心底戦慄した。
(傾奇者の前田慶次殿のことだ。面白そうだと言って、絶対幸村の暴走を止めることをしない)
兄、信之の心配は絶えることはない。
完
あとがき
鎖鎌とか大剣とか……「無双シリーズ」の影響だな、うん(笑)
「戦国無双」も「三国無双」も好きで、「無双OROCHI」もやっていましたね~。
まぁ、ゲームの話は置いといて、真田幸村、人気高いですよねー。
これも多分、ゲームやアニメの影響でしょうが、その人気の高さを私が尊敬する武将、斎藤道三にも少しは分けてほしいですね。
人気度はともかく、せめて知名度だけでも!
「斎藤道三」の名前を誰に出しても、「あー蝮の道三ね!」と返事がくるくらい、知名度が上がってほしいです!
あれかな、これは私が「斎藤道三の知名度を上げる活動」をするしかないのかな……?
まずは手始めに、私の周りにいる人たちから道三の認知を広げていきましょうかね(笑)