【コリーニ事件】絶対敗訴の裁判での悲しく凄惨な反論

こんにちは、松波慶次です。

今回ご紹介するのは『コリーニ事件』。法廷ものが好きな方におすすめです。

以下ネタバレ注意です!

タイトル:コリーニ事件
著者:フェルディナント・フォン・シーラッハ
翻訳:酒寄進一

あらすじ

1人の老人が後頭部を撃たれ死亡。その後、執拗に踏み潰される残虐な事件が発生。

容疑者の名は、コリーニ。

彼の弁護をすることになったのは、新米弁護士のライネン。

対峙するマッティンガーは凄腕弁護士であり、コリーニは殺害動機を語らない……。

敗訴確定ともいえる裁判で、ライネンが辿り着いた真実とはーー。

感想

まず本を見て思ったのが、思ったより薄いな、ということでした。

しかし、内容は厚くて、深い

法廷劇が面白いのはもちろんのこと、戦争やそれに関する処刑(虐殺)など、人間の浅はかな過ちについても触れているので、歴史的観点からも楽しめます。

新米弁護士のライネンは、相手が凄腕の弁護士でも臆せず、果敢に戦います。

何か反論できることはないかと探した結果、善良だと思われていた被害者が、実は被告人コリーニの家族をめちゃくちゃにした戦争の指揮官だったことを突き止めました。

それにより、コリーニが動機を語らなかったため敗訴濃厚だった裁判の流れを覆します。

しかし、その真実はある人を傷つけました。

それは、ライネンと仲の良い女性、ヨハネです。なぜなら、被害者はヨハネの祖父だったから。

ライネンやヨハネにとって辛い裁判となったコリーニ事件でしたが、結局、判決がくだる前に閉廷されます。

ライネンが裁判の流れを覆したのち、コリーニが自死したからです。

胸に重りがあるような、いい意味ですっきりとしない読後感でした。

法律家である著者が描き、テンポの良い翻訳がされているのでとても分かりやすく、読みやすかったです。

法廷ものの作品が好きな方、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

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