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【びんぼう神様さま】幸せな生き方とは?感謝の大切さを学べる児童書

こんにちは、松波慶次です。
今回ご紹介するのは、『びんぼう神様さま』です。

児童書? みたいな感じかな。挿絵がある、ストーリー形式です。

以下ネタバレ注意です!

タイトル:びんぼう神様さま
著者:高草洋子

あらすじ

びんぼう神は、いろいろな家に住み着き、不幸になって心が荒んでいく人間を見るのが好きだった。

しかしある日、松吉の家に住み着くと、松吉と妻・おとよは貧乏であっても生きていることに感謝し、食べ物のひとつひとつを宝と思える日常はびんぼう神のおかげだと、神棚を作って祀り上げるまでになった。

こんなことは生まれて初めてのびんぼう神は、松吉たちの家で幸せに暮らしていたのだが、ある年、大飢饉が村を襲うーー。

感想

後味が悪い系のストーリーが好きな私は、バッドエンドを想像してしまったのですが、「さすがにこういうストーリーでバッドはないだろう」と思っていたら、ちゃんとハッピーエンドでした(笑)

よく、「足るを知る」という言葉がありますが、まさにこの児童書に合っている言葉です。「過ぎたるは及ばざるがごとし」という言葉もありますね。人は、多くを得たからと言って幸せとは限らない。いまある状態(足りている状態)に感謝できれば、環境への不満、周りへの不満、自分への不満もなくなる。

松吉たちは「生きていけるだけの食べ物があればいい」「布団がひとつでも一緒に寝れるから幸せだ」という足るを知った考えや物事の良い面を見られる心の持ち主で、大飢饉が起きて自分たちの畑の作物がわずかしか生っていなくても、「自分たちさえ良ければいい」などと考えず、村の人たちに分け与えます。

人に良いことをすれば自分に返ってくる。まさにそのような状態で、松吉たちは自分の子供が熱で生死をさまよう事態に陥りますが、村人たちの必死の行動(びんぼう神も活躍)によって一命をとりとめることができました。

「足るを知る」だけでなく、助け合うこと、人のためにしたことは自分に返ってくること、慎ましくても生きていることが幸せであることなど、笑顔で生きていくために大切なことを教えてくれる1冊です。

児童書なので、子供にも読ませると、心の成長にいいかもしれません。