こんにちは、松波慶次です。
今回は久しぶりに読んだ芥川龍之介氏の作品『芥川龍之介全集5』をご紹介します。
以下ネタバレ注意です!
タイトル:芥川龍之介全集5
著者:芥川龍之介
あらすじ
友達の黒犬が人間に殺されそうになっているのを助けなかった白犬の白は、黒犬になってしまい大好きな主人に追いやられてしまう。
嘆き悲しむ黒犬の白は、白犬に戻れるのか?ーー『白』。
他36編収録の短編集。
感想
芥川龍之介の作品は、父が誕生日にプレゼントしてくれた『蜘蛛の糸・杜子春』というタイトルの本で初めて読みました。
当時、私は小学生だったと思いますが、読みやすい文体と面白いストーリーに、あっという間に芥川龍之介のファンになりました。
その後、『羅生門』や『地獄変』なども読み、現在も、芥川龍之介の作品は大好きです。
『羅生門』に関して言えば、私が小説家を目指す一因にもなった作品なので、思い入れがあります(その話は、「好き=仕事を目指し安定した職業を捨てた無名小説家」で書いています)
あらすじで書いた『白』の話は、同著の他の短編集で読んだ気がしました。
それでも、改めて読んでも面白く、「勇気を出すこと」「悪に立ち向かうこと」など大切なことを教えてくれます。
『猿蟹合戦』や『桃太郎』などの、誰もが知っている昔話を風刺的に描いた作品もありました。
『桃太郎』に関して話せば、何も悪いことをしていない鬼たちを殺し、降伏し生き残った鬼に宝物を無理やり差し出させました。
人質に鬼の子をとりますが、その子がのちに鬼たちの仇討ちをします。
無意味な虐殺。つのる恨み辛み。悲しき仇討ち。
人の憎しみの連鎖を表すようでした。
話は変わり、この作品集の中で「堀川保吉」なる人物がよく出てきました。
芥川龍之介氏の作品に固定キャラがいることを知らなかったので、驚きました。
また、未完の作品もちらほらとあり、そのときの同氏の心情や周りの状況に想像を巡らせてしまいました。
いわゆる、文学作品が苦手、という方は、芥川龍之介からトライしてみてもいいかもしれません。