こんにちは、松波慶次です。
今回は「ファーストラブ」をご紹介します。
最初この名を聞いたときには、恋愛小説かな~とか思っていました……
以下ネタバレ注意です!!
タイトル:ファーストラブ
著者:島本理生
あらすじ
臨床心理士の由紀は、父親殺しの容疑をかけられている環菜のノンフィクション本を執筆することになった。
大学の同級生である迦葉が環菜の弁護士を務めていたため、2人の止まっていた時が動き出すと同時に、環菜の境遇や事件の真相が明らかになっていく。
果たして環菜に殺意はあったのか?
環菜と父親との関係はどのようなものだったのか?
読み終えたとき、タイトルの意味を理解するーー。
感想
この作品は、よく名前をSNSやインターネット上で見かけていました。
そして、どの人も「おすすめ」の小説として推していたので、気になっていました。
最初にタイトルを見たときは「なんだ、恋愛小説か~」と思いましたが、どうやら違うよう……。
父親殺しの容疑者である娘の動機を、臨床心理士が解明していく
恋愛小説とは正反対の、サスペンス。
こりゃ面白そうだ
私は恋愛小説が苦手なので、サスペンスなら! と喜んで読みました。
読了後抱いた感想は、「タイトルはそういう意味か」です。
本当の愛を知らない環菜の「ファーストラブ(初めての愛)」。
ストーリーが進むにつれ解明されていく、環菜の不遇な家庭環境や、由紀と迦葉の切なくも美しい関係。
切ないけれど、まとまり方はすっきりとしており、読後感もまるで何事もなかったかのよう。
迦葉の生い立ちや、由紀の心の傷などは多くを語らず隠されていました。
私としてはもう少し語ってほしいと思いましたが、これはこれで良かったのかもしれません。
だからこその読後感。
日常にすっと入り込むような、荒立てもせず邪魔立てもしない、そんな作品でした。
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