【幻庵(下)】名人になるのは誰?権謀術数と囲碁の力のぶつかり合い

こんにちは、松波慶次です!

『幻庵(げんなん)』の上巻に引き続き、下巻を読みました。

上巻とはまた違う緊張感があって楽しかったです。

『幻庵』上巻のあらすじ・感想はこちら
【幻庵(上)】江戸時代の囲碁棋士たちの熱い物語!囲碁の奥深さを知る

以下ネタバレ注意です!

タイトル:幻庵(下)
著者:百田尚樹

目次

あらすじ

名人になるのは、丈和か、因碩(幻庵)か。

囲碁の腕ではない、権謀術数が張り巡らされて名人の座が決まる。

そして、名人が決まったあとの因碩は? 丈和は?

江戸時代の囲碁棋士たちの熱き戦い、後半戦。

感想

囲碁の勝負で緊張した上巻と異なり、下巻は権謀術数が渦巻き、約束したり破ったり。名人になるのは誰だどうなるとハラハラドキドキ。もちろん囲碁での勝負もあり、それも「どうなるどうなる」とハラハラしたのですが、今作は名人の座をかけた騙し合いが印象的でした。

因淑と因碩は知得を裏切るし(争碁を知得に任せた)、丈和は結局元美を裏切るし(名人にしたら自分を八段にしてくれと言っていた元美に対し、元美のおかげで八段になったのに何かと理由を付けて何年も放置)、丈和は因碩を裏切るし(6年で名人を退くといって味方に付けたのに反故にする)、裏切りに裏切りが重なり、ドロドロした戦いに勝利したのは、丈和。

てっきり因碩が名人になると思っていたから、「あ、丈和なんだ」とちょっと残念だったり。しかも、争碁で勝ち取ったわけじゃないし、因碩と争碁をやっていたら因碩が勝った(名人になった)かもしれないのに、なんか腑に落ちない。

かといって、丈和も相当強いから、争碁をしていたら結局丈和が勝って名人になっていたかもしれないけど。囲碁素人の私には、作中で示された強さでしか判断できないし、因碩にも落ち度はある(大人しく争碁をしていればよかった)から、みんなして謀をしすぎて謀をした自身もはまってしまった感じ。

個人的には知得がお気に入りで、その知得を裏切って怒らせた因碩と因淑には「なにやってんのー!」という思い。碁に純粋で、人格者だった知得は裏切らないで、謀にも巻き込まないでほしかったな。

まぁそんなことを私がいっても、歴史上起こってしまったことはしかたないのだけれど笑

権謀術数もさることながら、次に名人の座をかけた秀和と因碩の勝負も熱かった。内心では「勝て、勝て! 因碩!」と応援していたけど、負けてしまい、因碩は生涯名人にはなれなかった。そういえば、因碩の元妻。因碩の争碁をとめといて自分は駆け落ちって、あれはひどかった。勝手に思ったことだけど、妻からしたら因碩が争碁で死んだほうが、自分はあとくされなく正徹と付き合えたんじゃないか、遺産も手に入れられたんじゃないかと。なんで争碁をとめたのか。情? 正徹と一緒にはなりたかったけど、後味が悪いから因碩に死んでほしくはなかったの?

明治維新以後の碁界のことまで描かれた本作。囲碁のこと、囲碁に生きた男たちのこと、幻庵の生涯……いやー、面白かった!

囲碁素人の私でも楽しめたので、囲碁がわかる方はきっと私以上に楽しめると思います。

囲碁が好きな方、歴史小説が好きな方は、ぜひ読んでみてください。

歴史系小説の読書記録はこちら

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