こぶとりじいさんやってたらクリーチャーになっていた件|こぶ愛つよし!

こんにちは、松波慶次です。

こぶとりじいさんのパロディ&コメディ作『こぶとりじいさんやってたらクリーチャーになっていた件』です。

私が小説を書くとき、基本的に「~の件」のようなタイトルを付けないのですが、これは付けちゃいました。

動画で楽しみたい方は、朗読動画も一緒に載せているのでそちらをご覧ください!

目次

あらすじ

こぶとりじいさんには、相手のこぶを痛みなく取れるという特殊能力があった。

こぶが大好きなじいさんは、力こぶ、たんこぶ……こぶならなんでも大好きだった。

ある日、山へ出かけたこぶとりじいさんが出会ったのは、踊っている、楽しそうなたくさんの鬼たち。

この出会いが悲劇の幕開けになるとは、まだ誰も知らなかったーー。

小説『こぶとりじいさんやってたらクリーチャーになっていた件』

文字数:約7000文字

一 こぶが大好き

どうも。こぶが大好き、こぶとりじいさんだよ。
わしの右のほっぺには、大きなこぶがあるんじゃ。それがなかなか柔くて、触るとプルプルして、まんじゅうみたいでとてもかわいらしい。薪を割ればプルプル。ランニングをすればプルプル。ご飯を食べればプルプル。なんとも愉快じゃ。
 隣の家にも、わしのようにこぶのあるじいさんがおる。そいつは左のほっぺに大きなこぶがあって、それもプルプルして、とても愛嬌がある。なのに、そのじいさんはこぶが嫌いなようで、いつもむすっと不機嫌。何度もこぶを引き千切ろうとするんじゃ。
「やい、隣のじいさん。なんでこぶを孫の仇のように扱うんじゃ?」
「黙れくそじじい。お前こそ、なんでこの邪魔なこぶを孫娘のように愛でるんじゃ!」
 お前さんだってくそじじいじゃろが。やれやれ、こぶのかわいさが分からぬとは、浅はかなやつめ。だったら、わしがそのこぶをもらってやろう。
「お前さんには勿体ないのぉ。どれどれ」
わしは手を伸ばし、じいさんの左ほっぺのこぶを掴んだ。そして、ぽわんとこぶを千切り、自分の左ほっぺにくっつけた。
「な、なんだと⁉ やいじじい! こんなことできるんなら最初からやりやがれ!」
「うっせーじじい。わしはこのこぶのためを思って能力を発揮したまでじゃ」
 そう、わしが持って生まれた能力。それは、あいてのこぶを痛みなく千切り、自分にくっつけられるというもの。両頬にプルプルのこぶをつけられて、幸せを感じていた。
わしは、こぶならどんなこぶでも大好きだった。
自分の右ほっぺについているこぶや、隣のじいさんの左ほっぺにできていたこぶはもちろんのこと、たんこぶ、力こぶとあらゆるこぶを愛でた。

「うえーん、母ちゃんに殴られたよー」
「おぉ、どれどれ」
 近所のがきんちょが家の外でやかましく泣いているから冷やかしに近寄ってみると、その頭には大きなたんこぶができていた。ちょうどわしの握り拳ほどの大きさ。絶妙じゃ。
 わしは早速そのこぶを千切り、自分の頭につけた。
「あれ? 痛くなくなった!」
 がきんちょは自分がされたことにも気付かず、泣き止むと何事もなかったかのようにスキップでこの場を立ち去った。
「まったく、現金ながきじゃわい」
 頭につけたこぶを撫でる。ほっぺと違い固く隆起したそれは、ツンと気取った孫のように、憎らしくも面倒を見たくなる存在であった。
「見ろよ! 俺の腕! すごい筋肉だろ?」
 筋肉自慢の若造が仲間に、丸太のように屈強な腕を見せている。ハンドボール並みの力こぶができており、とても神々しかった。
「お前にこんないいこぶは勿体ない」
若造の横を通り過ぎるとき、さっとそのこぶを千切ってやった。
そして、右の二の腕につける。力強いこぶが我が物に。
「あー! じいさん、俺のこぶ盗るなよ!」
「ほっほっほ。悔しかったら人前で筋肉自慢などするでない」
 わしにこぶをとれる能力があることは、次第に村の人間どもに知れ渡っていった。

いつの間にか、わしの顔に大中小様々なこぶが五個、腕や脚、背中などに十個ほどのこぶがついていた。
「よぉじいさん。今日もいいこぶのつきっぷりだな」
 野良仕事に出ていた若造が威勢よく声をかけてきよる。
「お前さんも、こぶができたら声をかけとくれ。一瞬にして楽にしてやるからな」
「じいさん、セリフが殺人鬼だぞ」
 勝手にわしの家に住み着く犬っころのポチも、わしのこぶを舐めるのが好きなようでしつこいくらいに舌を出してくる。どうやら、プルプルとこぶが動くのが楽しいようじゃ。
「ポチ、これはわしのこぶだから、舐めすぎてもぎ取ってしまわぬように気を付けろよ」
「くぅーん」
 お前もこぶをとるこの能力があれば、一生を楽しく過ごせたのにな。
こぶを身体につけることで不便な点は、身体が重くなることだった。十何個もの肉片が足されたから、そうなるのも仕方ない。
 野良仕事は疲れやすくなり、ただ歩くのも足取りが重くなったが、村の人間どもはわしのことを気にかけてくれるし、時には野良仕事も手伝ってくれる。
わしは、みんなに支えられて生きているんじゃ。こぶをとるという趣味一直線なわしの行動も、みんな笑って見守っていてくれる。
 そんなこの村が、わしは大好きだった。
 だがある日、事件は起きた。

二 鬼との遭遇

わしは、薪を調達するため山へ行った。いつものことだから、木を切ることは造作もない。こぶを揺らしながら軽快に切っていると、顔に何かが落ちてきた。それはぽつぽつと、次第に、ザーザーと振り始めた。雨じゃ。全く、面倒じゃな。
 近くの大木の根元に腰を下ろし、雨が止むのを待つ。待っている間、暇だからこぶ同士をぶつけてみたり、こぶとこぶを突き合わせて、指人形のように会話をさせてみたりした。
「こんにちは。僕はこぶだよ」
「こんにちは。僕もこぶなんだよ」(裏声)
「僕の夢は、世界一のこぶになることなんだ」
「じゃあ、貴様を倒して僕が世界一のこぶになってやる」(裏声)
 そうして、こぶとこぶの戦いを一人二役で演じていると、いつの間にか空は真っ暗になっていた。雨雲が空を覆ったのかと思ったが、そうではない。世界は夜になり、雨は止んだようで、綺麗な月や星が浮かんでいた。自分の集中力の高さに恐れ入った。
「さて、帰るかの」
 立ち上がると、どこからか音楽が聞こえてくることに気が付いた。
「なんじゃ? ストリートミュージシャンでもおるのか?」
 音楽が聞こえる方に足を進めると、そこには赤鬼、青鬼、黒鬼等々、様々な鬼がいた。鬼たちは笛や太鼓などのお囃子に合わせて楽しそうに踊っている。
この山には鬼がいるという噂は聞いていたが、実際に見るのは初めてである。びっくりして腰を抜かしそうになったが、それよりも、鬼たちの軽快な踊りに目が釘付けになった。
 ノリのいい音楽。楽しそうな笑顔。昔、ダンサーだったころの記憶が蘇る。身体中の血液が盛んに流れ、うずうずとこぶが疼き出す。
 いてもたってもいられず、わしは鬼たちが踊る輪の中に飛び込んだ。
「んが?」
「誰だこのじじい!」
 暴言を吐く鬼、呆然とする鬼、睨んでくる鬼を無視し、わしはヘッドスピンを魅せる。続けて、音楽に合わせドルフィン、ムーンウォーク、ラビット等を盛り込んで踊り続けた。
「おぉ!」
「やるなぁじじい!」
 鬼どもが、わしの素晴らしい踊りに称賛の声を発する。そして、触発されたのか鬼どももブレイク、ヒップホップ、ジャズなど好き放題踊り始めた。
 楽しくて、時間が経つのも忘れ踊り狂い、あっという間に夜明けとなった。
「あ、やべっ!」
「みんな、帰るぞ! 朝だ!」
 陽の光が差し込めると、鬼たちはぴたっと踊るのを止め、慌て出した。
「なんじゃ、もう帰るのか?」
 気持ちの良い汗を流しながら鬼の一人に声を掛けると、そいつはわしの姿を見てにやりと笑った。
「あぁ。俺たちは、日中は山の奥ふかーくに隠れているからな。それよりじいさん、お前人間のくせにできるな」
「村のブレイクダンス大会で優勝するほどの実力は持っておる」
「そうか。じゃあ、今夜もここに来い!」
 そう言うと、わしのほっぺのこぶを引き千切った。他の鬼どもも、わしの残りのこぶを根こそぎ千切っていった。
千切られた箇所に、痛みはない。この鬼どももわしと同じ能力を持っていることに驚愕すると同時に、激しい怒りが湧き上がった。
「おい、何をする⁉」
「じいさんの踊りはいい刺激になる。こいつは人質だ。今夜もここに来い。分かったな?」
 がははははと笑いながら、鬼たちは一斉に姿を消した。その場に一人残されたわしは、楽しかった夜の出来事が遠い昔のように思えるほど、意気消沈した。
「こぶが……。わしのこぶが……」
 つるつるのほっぺ、つるつるの腕を触り、糸が切れた人形のようにくずおれる。
 まるで衣服を剥ぎ取られた小娘のように、しばらくその場から動くことができなかった。

三 反撃開始

とぼとぼと、山から村への帰り道を歩く。
燦燦とわしの背中に注ぐ陽は、暖かいはずなのに何も感じなかった。虚無感と焦燥感に包まれ、こぶがなくなって軽くなったはずの身体も、とても重く一歩一歩の足取りが億劫だった。
 村へ着くと、村の人間どもはわしの姿を見て目を丸くし驚いている。
「おい、じいさん。あんたこぶはどうしたんだ?」
「きれいさっぱりなくなってるじゃねーか。やっぱいらなくなっちまったのか?」
「おじーさん、どうしたの? すごく悲しそうだよ?」
 若造からがきんちょまで、みんながわしの心配をしてくれる。そんな彼らに力なく微笑むと、何も発することなく自宅に帰った。
 家の外から、口々に心配するみんなの声が聞こえる。
 やはり、この村はいい村じゃ。
 長年暮らしてきた六畳間ほどの一人の家で、ばっと顔を上げる。きっと、いまのわしの目は冷徹で、その奥には怒りの炎を宿しているであろう。
 囲炉裏の横に敷かれた座布団をどかす。周りの床とは色が変わっている四角い蓋を開けると、その中にあるスイッチを押した。ウィーンという機械音とともに、囲炉裏が横にスライドしぽっかりと空洞を作る。
 ここに入るのは、数十年前ばあさんを殺したとき以来か。
 壁にかけられている鉄製の梯子を下る。長さは三メートルほど。下り終え床に足が着くと、壁にある電気のスイッチを入れた。
その途端、眩い光が暗闇だった世界を照らし出す。壁一面にかけられた銃や刀が、わしを出迎えてくれた。
 そして、部屋の奥、隅っこに転がされたばあさんの骨も。
「よぉばあさん。久しぶりじゃの」
 ばあさんは、応えてはくれない。悲し気なしゃれこうべの眼房は、ただの空洞だった。
 数十年前。ばあさんと些細なことで喧嘩をした。味噌汁にじゃがいもは有りか無しか。無し派だったわしは、味噌汁にじゃがいもを入れたばあさんを勢い余ってここにあるショットガンで撃ち殺してしまった。以来、ここに遺棄している。村では、行方不明として片付けられた。
応えてくれないばあさんから早々に目を逸らし、壁にかけられたマシンガンを手に取る。本当はガトリング砲をぶっ放したいところだが、重くて運ぶのに手間がかかる。
 他の武器はどうしようかと散々考えあぐねた結果、わしは背中にショットガンを背負い、右手にはマシンガン、左脇にマグナムを装備した。それだと接近戦になったときに困るから、腰には双剣とダガーナイフもぶら下げる。
 これだけあれば、やつらに復讐できる。わしからこぶを全て奪い取った、あの鬼どもに。
 今晩が楽しみじゃ……。
 さぁ、反撃開始じゃ!

「よぉ、じいさん。約束通り来たか」
待ちに待った、夜が来た。昨晩踊り狂った山に、ローブを羽織ったわしが姿を現すと、わしからこぶを奪い取った鬼どもがにやにやと挑発的な笑みを浮かべながら出迎えてくれた。
近くに置かれた籠には、わしのこぶが乱雑に入れられている。それを見て、わしの心は波打った。
「じゃあ、今日も踊ろうぜ! 楽しい一晩を過ごせたら、じいさんのこぶは全て返してやるからよ」
「その必要はない」
「は? どういうことだ? それより、早くローブを脱ぎな。そんな格好じゃ踊れないだろ?」
「いいや、踊れるね」
 首を傾げ、目を瞬かせる鬼どもの視線を浴びながら、わしはローブを一気に剥ぎ取った。
 武装し、マシンガンを構えたわしの姿が、鬼の眼に映った。
「さぁ、レッツダンシングじゃ」
マシンガンをぶっ放す。反応が遅れた鬼どもが銃弾を一身に受け次々と倒れていく。運よく避けた鬼にも、漏らさず銃口を向けその命を絶つ。
 一体の鬼が背後に回って殴りかかってきたが、そんな殺気立っていては気付くことも容易い。前転して避け、その眉間を撃ち抜く。
 盾と棍棒を手に応戦してくる鬼には、マグナムを撃ち込んでやる。盾と身体を貫いた。
「てめぇじじい‼ よくもやりやがったな!」
 リーダー格の鬼がひときわ大きい棍棒を持って現れた。振りかぶり、わし目掛けて叩き落す。じゃが、そんな大振りな技ではわしのスピードには敵わない。大口を開けて叫んでいるその喉奥に銃弾を一発。口内と後頭部から、きれいな鮮血を噴き出して倒れた。
「因果応報、じゃよ」
リーダー格の鬼がやられたからか、他の鬼どもは蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。その一体一体を見逃すことなく、残らず仕留めていく。
 悲鳴、叫喚、懺悔。様々な声が山を覆い尽くす。一発で仕留められず、苦痛に呻くものにもきちんと引導を渡してやった。
 気が付けば、朝が来ていた。鬼どもの死体と、血塗られた山を暖かい陽が照らす。
わしは弾切れになったマシンガンを地面に下ろし、手で顔を拭う。身体中、血だらけだった。だが、その鉄臭い臭いはいまのわしにはドラッグのようで、恍惚感が支配する。
 汚れた身体のまま、こぶの入った籠に歩み寄る。少しだけ血が付いてしまっているこぶを手に取ると、ほっぺに、腕に、背中に付けた。
 本来のわしに戻った。こぶのプルプルした感触を再度味わえ、感極まってしょっぱいものが頬を伝う。
 それを拭うこともないまま、一体の鬼の死体へ近付く。口を阿呆のように開けたまま倒れている赤鬼の力こぶを千切り、脚に付けた。続いて、滑稽な格好で倒れている青鬼の、背中についたできもののこぶも千切る。ある黒鬼にはたんこぶができており、それもありがたく頂戴した。
 最初に鬼どもに会ったときから、思っていたのだ。こいつらのカラフルな色のこぶは、わしの身体を、きっときれいに着飾ってくれる。だから、欲していた。本当は順当なやり方で、丁重にお願いをしてこぶをもらうつもりだったのだが、いまとなっては仕方がない。仕掛けてきたのは、こいつらの方だから。
 顔や身体中に、赤、青、黒のこぶを付け終えた。身体はとても重くなり、のそのそと、ゆっくりとしか歩けなくなったが、満足感の方が勝っていた。
 さぁて、村の人間どもに自慢してやろう。
羽織っていたローブで銃やナイフを隠し、村へ急ぐ。
早く、このカラフルな姿を見てもらいたかった。

四 そして、終局へ

村に戻ると、わしに気付いた子供が悲鳴を上げた。
「わー! 化け物だ―!」
 おいおい何を言っているんじゃ。わしじゃよ。
 声を出そうと口を開こうとしたが、こぶの重みのせいでできなかった。なんじゃ、困ったの。とりあえず、笑いかけとくか。
 かろうじて口角を上げると、顔のこぶがプルプルと振動した。
「うわー! 山から化け物が下りて来たぞー!」
 他の人間もわしに気付き、恐怖で叫び出す。
 おい、なんだ? みんなわしだと気付いていないのか?
 のそっと一歩、踏み出す。
「来るな、化け物!」
 若造から、石を投げられた。その石はわしのこめかみに当たり、一筋の血を流させた。しかし、痛みはない。こぶのおかげで、皮膚が厚くなっているからだろうか。
 次第に、村の男どもは鍬や鋤を持ってわしを取り囲むようににじり寄ってくる。その顔には恐れと蔑みが浮かんでおり、誰一人として、わしだと気付いている様子はなかった。
「化け物を殺せー!」
「子供を避難させろ」
「何をするか分かんねぇ、注意しろ!」
 そんな心にもない村の人間どもの言葉を聞いて、わしの中で何かが崩れた。大好きだった村。大好きだった村の人間。大好きだった平和な日々。楽しかったのに。これからもここで、みんなと一緒に暮らしたかったのに。
 ……もう、ここにはわしの、イバショはない。
「かかれー‼」
 一斉に村の男どもが迫ってくる。わしは持っていたローブを広げ、ショットガンを手に取った。
 轟音を響かせながら、大好きだった人間たちの身体を吹き飛ばす。肉片や血液が飛び散り、腹に穴が開いただけのやつは口から泡を吹き悶えていた。いまは無理じゃが、あとで楽にしてやるからな。まずは、わしに向かってくるやつらを再起不能にしなくては。
 何発も、何発も、平和だった村にショットガンを撃ち込む。怖気づいて逃げようとするやつには、その背中にダガーナイフを投げつけてやった。
そんなにこの村は人口が多くない。あっという間に立っている人間はいなくなり、苦しそうに喘いでいるやつを一人一人楽にしてやった。
止まることなく、一軒の家に向かう。
そこには子供たちと、子供を避難させた女たちがいる。
カラフルだったわしの身体は、いまや赤一色。見える景色も赤い中で、家のドアを開ける。
「きゃー!」
 みんな、顔を真っ青にしながら、身体を寄せ合っていた。子供を庇うように抱く女たち。棒切れを持ち、果敢にも戦おうとする女たち。
 本当に、いい村だったのに。
 わしの眼から涙が零れた。だが、それはこぶに紛れて見ているものからは分からないであろう。
「バイ……バイ」
 開かない口から、なんとか絞り出した言葉。それが聞こえたかどうかは分からない。なぜなら、言葉を言い終わると同時に、全員を皆殺しにしたから。そこまで広くない家。たった数発で、ことは足りた。

 誰もいなくなった村で、一人立ち尽くす。
 青空を見上げると、鳥が一羽、悠々と気持ちよさそうに飛んでいた。
さて、次のわしの居場所は、どこにあるのか。
もしかしたら、いまこれを読んでいる君の世界にわしの居場所が、あるのかもしれないのぉ……。
 のそっと一歩、踏み出した。

ー終ー

朗読動画『こぶとりじいさんやってたらクリーチャーになっていた件』

動画時間:約26分

あとがき

ふざけまくりですみません。でも、書いていてめっちゃ楽しかったんです。

確か、友人と「パロディなんてどう?」みたいな話をしていて、ふざけた話ばかり出てくるなかで思いついたんですよね。

あなたにも楽しんでもらえたなら嬉しいです。

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