こんにちは、松波慶次です。
今回ご紹介するのは『七つの黒い夢』。7人の作家による短編集です。
以下ネタバレ注意です!!
タイトル:七つの黒い夢
著者:乙一・恩田陸・北村薫・誉田哲也・西澤保彦・桜坂洋・岩井志麻子
あらすじ
絵を描くと、それが現実に起こってしまう不思議な能力がある男の子。
カレーを描くとカレーの匂いが、ケーキを描くとケーキの匂いがするように、男の子の描く絵は不思議だった。
ある日、幼稚園に行けなくなってしまった友達の家に行き……
(作『この子の絵は未完成』)
【他作品タイトル】
- 赤い毬
- 百物語
- 天使のレシート
- 桟敷がたり
- 10月はSPAMで満ちている
- 哭く姉と嘲う弟
感想
私は乙一さんの作品が好きで、『夏と花火と私の死体』や『GOTH』、『ZOO』など、何冊も読んでいます。
乙一ファンであるからか、今作の中で乙一さんの物語が一番印象に残っています。
描いた絵が現実に起こる、そんな不思議設定なのに、男の子の両親とも誰にも相談することなく、激しく取り乱したりすることもない。
「普通の子」と違うことは認識しているけど、どこか認めているような、当たり前の日常と化した風景。
そのような設定が、乙一さんらしいなぁ~という気持ちになります。
ほっこりするお話でした。
他には、「百物語」が少し怖くて面白かったです。
真実は分からないけど、「そうなのだろう」と思わせる。
そんな、背中が少し寒くなるお話でした。
初読み作家さんもいたので、新たな「作家」の扉を開けることができ、そういう意味でも、楽しく読むことができました。
短編集なので読みやすかったです。
一話ずつ読み進めるのも、楽しみを分割できていいと思いますよ。
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