こんにちは、松波慶次です。
以前、小説投稿サイト「エブリスタ」に投稿していた作品を、
こちらに掲載しています。
短文に潜んでいる恐怖
今回は、エブリスタで行われた「カイダンク」という企画で
2018年4月に執筆、投稿していた作品を掲載しています。
「怪談」+「句」=「カイダンク」なので、
短文の怪談話になります。
さらっと読める。
だけど怖い!!
ご覧ください。
①新居
新居の壁に穴が空いた
中を覗くと潰れた血塗れの人がいた
いまどき 人柱か
②釘をさす
「絶対に動いちゃだめよ」
おかあさんが僕に釘をさす
本当に釘をさすとは思わなかった
③満員
自殺の名所として
有名になった廃屋
困ったな 有名になりすぎて
僕のスペースが狭くなった
④視える
布団に入り目を瞑っても
闇の中の虚空を見つめていて
僕の死に顔が浮かび上がってるんだ
…もう見飽きたよ
⑤切り傷
腕に切り傷ができていることに気付いた
次の日には足に切り傷ができていた
ある日の夜 寝ているときに
うっすらと目を開けると
母が無表情で 僕の首に包丁を当てていた
⑥嘆き
山の中 一本の木に括られた
首を吊るためのロープ
僕は嘆いた
まだ誰も 罠にかかっていない
⑦動けない
踏切を渡る
足をナニカに掴まれた
遮断機が降りる
⑧影
暗い夜道
いつも通りの帰り道
違っていたのは
電灯に照らされた僕の影が
僕から離れていたこと
⑨ホラーあるある
運転中 バックミラーに 知らぬ顔
⑩忘れ物
浜辺に落ちていた 赤い靴
綺麗だったから 拾ってみる
…なんだ 中身があるのか
あとがき
やっぱり私は、「後味の悪い」感じが好きなんだなーっと思います(笑)
ただのホラーじゃなくて、「事件性」を臭わすものもありますね。
とにかく何か書こうとして、無理やり捻り出したようなものもあり……
カイダンクで考えた他の作品は、「ホラー集②」以降で掲載しています。
そちらもぜひご覧ください。