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【鈴木ごっこ】全員鈴木さん?コミカルとダークの複雑な融合作

こんにちは、松波慶次です。

タイトルからして面白い&ものすごく気になる!

今回ご紹介するのは「鈴木ごっこ」です。

以下、ネタバレ注意です!!

タイトル:鈴木ごっこ
著者:木下半太

あらすじ

料理上手の主婦、口の悪い男、ちょっぴり馬鹿っぽい青年、人のよさそうなおじさん。借金を抱えた四人が、ヤクザの男にあることを命令され、見知らぬ家に集められた。

ヤクザが命じたあることとは、1年間、「鈴木」姓の家族として過ごすこと。

他人同士の四人は最初はぎくしゃくした関係だったが、この「鈴木ごっこ」にも慣れていき、奇妙な連帯感を持つように。

それはまるで、本物の家族であるような……

感想

今作、設定からして面白い!

「鈴木として1年間、赤の他人同士が一緒に住む」

って、現実にあっても面白そうです!

ただ、これは小説なので、単に他人同士が「鈴木」になって1年間家族として過ごし、

心情の変化を記録するだとか、

人の錯覚を検証するだとか、

そんな実験的な話ではありません。

現実だったらそれでも面白いかもしれませんが、今作は実験どころか、次元の違う恐ろしいことをするために「鈴木ごっこ」が行なわれています。

借金を抱えているという共通点や、男3人と女1人という構成。単純な考えによるお互いの呼び名の決定。ヤクザの男からの追加指令。

すべては、1年後のためだった。

真相を知ったとき、せっかく4人が仲良くなり、ある意味、恋愛や友情を応援していたのに、「そんな結末ってアリ!?」と真相のページを遡っては読み、また遡っては読み、とプチパニックに。

いたたまれないよ、色々と……。

私が当事者だったら、私には無理だ。こんなこと……。

笑える要素がたくさんあったのに、笑えなくなりました笑

そんなダークな面もドドンと見せてくれる、天使と悪魔が共存しているような作品です。

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