こんにちは、松波慶次です。
今回ご紹介するのは「ペスト」です。
この名前を聞いただけで「ドキッ」とする方もいるのではないでしょうか?
最悪のウィルスのお話です……
以下ネタバレ注意です!!
タイトル:ペスト
著者:アルベール・カミュ
あらすじ
ある街で、鼠が大量に死亡する事件が起きた。
この時代では、もうすでにペストの存在が知られている。
医者は、「ペスト」であると気付き、ペストとの闘いが始まった……
感想
うむむむむ……
申し訳ないが、これは結構な期待外れ作品でした。
なぜなら、私はペストが歴史の中で繰り広げてきた凄惨な出来事を、ある程度知っている状態で読み始めたからです。
ペストが巻き起こした出来事。
例えば、ペストが初めて人間に認識された年代では、戦っている国同士が、相手の飲み水となる池にペストに感染した死体を放り込み生物兵器として利用したこと。
手足が黒くなり、壊死して死亡すること。
この疫病はユダヤ人のせいだ!と信じられ、ユダヤ人が大量に殺害されたこと。
ペストに感染した人を家の中に木材や釘を使って閉じ込め、外に出ないか見張る人までいたこと。そして、その見張りを殺して中の人を監禁から助けた人がいること。
掘った土の中に、ペストで死亡した人の死体が大量に積み上げられたこと。
ペストから救われるための本が出回ったこと。
悪い空気を吸うと感染するとされ、鳥のような仮面をつけた医師がいたこと(ペスト医師。仮面のクチバシに当たる部分には、悪い空気を吸わないためにと香辛料などが詰められていた)。
ペスト医師は命を落とす可能性が高かったが、国から手当てが出たため、一流の医師だけでなく三流、挙句の果てには医師以外のものがペスト感染者の診察をしていたこと。
などなど……。
そのような、「ペストの恐怖」とともに、「人間の恐怖」が、この作品には描かれていると思っていました。
残念……まぁ、私が勝手に期待していただけなんですけどね(笑)
ですが、初読み作家さんでしたがとても読みやすかったですし、ストーリー自体はペストと闘う人々が描かれていたので、私みたいに過剰な期待をしなければ楽しめると思います。
歴史系小説の読書記録はこちら
私の著書一覧はこちら