こんにちは、松波慶次です。
今回ご紹介するのは、『紗央里ちゃんの家』です。
表紙絵が一番気に入ったものを選びました。
以下ネタバレ注意です!
タイトル:紗央里ちゃんの家
著者:矢部嵩
あらすじ
毎年、いとこの紗央里ちゃんの家に遊びに行く恒例行事があった僕は、今年は父と二人だけで3泊しに行った。
大雨の中、僕たちを出迎えてくれたのは血塗れの叔母さん。叔父さんやおじいちゃんの様子も変だし、紗央里ちゃんはいなかった。
疑問に思いながらもいつものように過ごしていると、洗濯機の下から1本の指を見つけるーー。
感想
んー、なんて言っていいか分からない。だから、とりあえず思ったことを書いていきます。
まず最初に言っておきたいのが、これは「よく分からん系で恐怖を煽ってくるやつ」です。
だからと言って、幽霊系じゃない。人間系だけど、その「人間」も「心理的ホラー」じゃなくて、「狂人」。
恐らく殺人を犯したであろう叔母さん夫婦は、何事もなかったかのように過ごしている。不審感があっても、僕も父も何も言わない。
突然壊れたラジオみたいに叔父さんがなっても、誰も何も言わない。
うん、よく分からん系です。
ウィンナーのことで叔父さんが子供っぽくなったり、おじいさんの幽霊っぽいのが出たり、ご飯に虫が入っていたり……理由が何も分からない。
なんでおばあさんやおじいさんが殺されたのかも分からない。
作中、半ばくらいで「土星に生き物がいる」みたいな話があったから、実は土星から来た生き物に叔母さんも叔父さんも寄生されておかしくなってるんじゃないか?と予想しました。そんな叔母さんが出すご飯を食べているから、僕も父も徐々に寄生(洗脳)されているんじゃないかと……まぁ、そんなことはありませんでしたが。
それと、主人公の僕は小学5年生ですが、「慟哭」とか「ありてい」とか言っているのを見て、「小5でそんなこと言う?」と違和感バリバリ。
その違和感も、恐怖を煽る一つの演出だったのかな?(怖くはなかったけど)
ちょくちょく入ってくる脈絡のないセリフと突如壊れたようなセリフで恐怖を煽っているだけな感じだったので、読み始めは怖いと思ったけど、途中から「よく分かんない」が勝って恐怖は激減しました。寝る前に読んでも平気なくらいです。
登場人物みんな訳が分からず変な話でしたが、「よく分からん系のホラー小説」が好きな方は気に入るかもしれません。