こんにちは、松波慶次です。
今回読了したのは、「粘膜人間」です。
まさかの河童の登場やその他の妖、化物のような子供が登場します。
以下ネタバレ注意です!
タイトル:粘膜人間
著者:飴村行
あらすじ
中学生の溝口利一と弟、祐二は義理の弟、雷太の暴力に恐れを抱いていた。
巨漢で暴力的な雷太に逆えず、2人は雷太殺害を企てる。
そのために頼ったのが、河童のモモ太。
兄弟はモモ太に雷太殺害を依頼するが、モモ太はその条件として、中学生の女と性交させろという。
その条件を呑んだ兄弟は、非国民の成瀬清美の名を出す……。
感想
まず、しょっぱなから河童はびっくりだわ!
噂話的扱いで名前が出たかと思ったら、まさかの本物登場!しかも3匹も!
河童たちはちょっと持ち上げればすぐ相手を信用するし……
それで調子づくし、簡単に裏切るし……
まぁ、なんというか。可愛らしくもあり腹立たしさもあり。
愉快な生物でした。
そして、雷太だけがやばいやつかと思いきや祐二もなかなかイかれていました。
いや、それは語弊があるかな? 兄の利一以外はみんなイかれてたと言っても過言ではないですね。
この作品の中で何が一番印象的だったかと言うと、串刺しの刑。
色々な暴力表現が出てきましたが、串刺しの刑の、身体を貫通するときの痛みや感触の表現がすさまじかったです。思い出しただけで、身震いしますね。
脊椎だ脳味噌だ身体の部位を痛めつける表現も多かったので、グロ系が苦手な方は注意が必要です。
さて、面白くてさくさく読み進めていった今作ですが、ラストがまたひどい。あ、この「ひどい」は誉め言葉と思ってくださいね。
モモ太と雷太の一触即発の勝負開始!というところで終わるんですよ。
えええええええええ!!!!って感じ。
2人の対決の行く末がどうなったか、読者の想像に委ねられました。
私はどっちが勝ったと想像したかというと……
私の思考もそこでストップ。
結末を考えることは野暮だと思い、自分の中でも永遠の謎にしておきます。
それにしても、初読み作家さんでしたが見事にファンにさせられました。
同著者の「粘膜蜥蜴」も、絶対に読みたいと思います。
『粘膜蜥蜴』の感想は「【粘膜蜥蜴】身勝手×横暴×慈愛=罪!エグさとギャグの良バランス作」をご覧ください。
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