【歴史】クリスマス~摩訶不思議戦国アドベンチャー⑨~

こんにちは、松波慶次です。

小説投稿サイト「エブリスタ」に投稿していた短編コメディ小説「摩訶不思議戦国アドベンチャー」第9弾。

戦国なのに「クリスマス」です。
それでは、ご覧ください。

※執筆時期は1、2年くらい前

クリスマス

「あなた、今日は異国ではクリスマスというイベント日みたいよ」
「ほう、そうか」
「恋人や夫婦で過ごし、プレゼントを交換し合うみたい」
「ほう」

信長の妻、濃姫は雪がしんしんと舞い落ちる庭を眺めながら、書をしたためる信長に話しかけた。
信長は濃姫の話に上の空の様子で、黙々と筆を走らせている。
そんな信長をちらりと見て、濃姫はなおも続けた。

「市はね、長政殿から綺麗な髪飾りをプレゼントしてもらったんですって。それと、庭で一緒に雪だるまを作って遊んだみたいよ」
「長政のやつめ、愛いことをしよる。市もさぞ喜んだであろう」
「そうね。市は、長政殿の羽織にうさぎの刺繍をしてあげたんですって」
「市も、愛いことをしよる。長政は卒倒しそうだな」

返事をしてはくれるものの、その目は書から離さない。そんな信長に気付かれぬように静かに溜め息を吐く。濃姫は、着物の胸元に隠していた扇子を、信長に見えないように少しだけ取り出した。

(この方に買って差し上げた扇子、せっかくだから渡したいけど、クリスマスに興味なさそうね。渡しても素っ気ない態度とられたら馬鹿みたいだし、やめようかしら)

信長は舞が好きだ。だから、扇子を買った。その扇子を渡すことを諦め、もう一度着物に仕舞おうとしたとき、何者かにその手を掴まれた。
顔を上げると、信長が口を真一文字に結び、じっと濃姫の手元を見つめていた。

「お濃、それはなんだ?」
「これは……」
「出してみよ」

有無を言わせぬ声に、濃姫は渋々扇子を取り出す。信長はその扇子を不思議そうに見つめたあと、濃姫に視線を移した。

「扇子、か?」
「あぁ、もう。そうよ。扇子よ。あなたに、プレゼント。あなたが興味なさげにしていたクリスマスプレゼントよ」

濃姫は扇子を信長の胸に押し付ける。信長にしては珍しく、目を見開き驚いていたが、押し付けられた扇子を優しく持つと、にやりと笑った。

「お濃、愛いやつめ」
「はいはい」
「では、俺からもプレゼントだ」
「はいはい。……って、え?」

信長からの予期せぬ言葉に顔を上げると、隣の部屋に何かを取りに行った。

(何よ、この方も意外とイベント事にマメなのね。何をくれるのかしら? 新しい着物? 鮮やかな紅? 楽しみだわ)

しばらくして、信長が戻ってきた。その手にあったのは、紫色の、逆さになった髑髏(しゃれこうべ)。
呆然とする濃姫に向かって、信長は堂々と声を上げた。

「お濃、先日自爆した謀反者、松永久秀の髑髏で作った盃だ! お濃に似合うように紫色にコーティングしてある。これで一緒に酒を飲もうぞ!」

決まった、とばかりにドヤ顔をする信長につと近寄った濃姫は、信長の帯に刺さった先程あげた扇子を抜き取り、目の前で真っ二つにへし折った。

「お、お濃! 何をする!?」
「死ね、うつけ」

背筋も凍るような冷たい笑顔を浮かべ、濃姫は部屋から出て行った。

後日、濃姫のその態度の意味が分からなかった信長は市に相談したが、市からこっぴどく叱られたという。

完 

あとがき

改めて、思います。

好き勝手書いてるよな~(笑)

すみませんね、こんな感じで(笑)
戦国時代って色々大変だったし、小説の中でだけでも、楽しい日常といいますか、幸せになってもらいたいといいますか……おふざけが許されてほしいのです(^^;

(まぁ、ただ単に私が「戦国武将たちがふざけてたら面白くね?」と思って好き勝手書いているだけなのですが)

敵味方関係なく、あの恐ろしい武将やギャグセンス皆無そうな武将がふざけた交流したり、ボケたりしていたら面白いなぁ~と……。

まだ作品は続きますので、見てもいいよ!という方は、続きをお待ちくださいm(__)m

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