【動物農場】人間の愚かさと傲慢さと浅はかさが凝縮された世界【読書記録】

こんにちは、松波慶次です!

毎日コロナ、コロナで不安を煽られますよね。

そんな中、ご紹介するのは「動物農場」です。
読んでいて不安はなかったのですが、ムカムカしました。

以下ネタバレ注意です!!

タイトル:動物農場
著者:ジョージ・オーウェル

あらすじ

ジョーンズが経営している農場で、ブタや馬、牛たちが「人間のために利用される人生」に不満を感じていた。

あるとき、動物たちは反乱を起こしジョーンズを農場から追い出してしまう。
そして、動物たちだけで「動物農場」を経営していくことに。

動物たちの中で一番頭が良かったのはブタだったため、スノーボールとナポレオンという2匹のブタがリーダーとなり七戒という掟を作った。

動物たるもの、ベッドで寝ないこと。酒を飲まないこと……など。

始めは掟の下、動物たちなりに平穏で満ち足りた生活を送っていたのだが、ある事件が起き、農場内は一変する……。

感想

いやー、恐ろしい!!

動物たちが自由へ突っ走っていくさまは良かったのですが、そのあと自分たちで仕事をし、掟を決め、集会を行なっていくと、意見の対立などが発生します。

それを話し合いで解決するのが平和ですが、一人暴君がいるとそんな解決方法、消滅しますよね。

今作ですと、その暴君はナポレオンです。

スノーボールと対立し、力でねじ伏せ、農場から追放する。
甘い汁を吸いたい側近を置き、暴力しか能がないものを用心棒として従え、頭の悪いものを甘言で洗脳しながら、逆らえば死刑という残虐な方法で支配下に置く。

いなくなったもののことなら、なんとでも言えますよね。

風車が壊れたとき、それはスノーボールのせいにしてしまえば、心が折れかけた下僕の動物たちも奮起させることができるし、敵を作ることで一致団結させることもできる。

傀儡人形のできあがりです。

もうね、スノーボールがかわいそうでかわいそうで。
何もかもスノーボールのせい。ジョーンズたち人間が攻めてきたとき、果敢に戦ったこともなかったことにされ、それどころかジョーンズとグルだったなんて言われたら、たまったものじゃありません。

しかし、勝ったものが正義。言ったもん勝ち。相手がいなくなってしまったのなら、なおさらです。

ブタ以外の動物たちも、頭が悪すぎる。

最初に決めた七戒も、ナポレオン一味が都合のいいように書き換えても「最初からこうだった」とそれっぽく説得されれば納得してしまう。

スノーボールの件もそう。
銃を持ったジョーンズたち人間と勇敢に戦って傷を負ったのに、「実は傷なんてなかった」とナポレオン一味に言われたら、「そうだったかも」と記憶を改ざんさせられる。いや、自分でしてしまう。

それでのほほんと、不条理なことをされても文句も言わず(言えず、のほうが正しいか)、言いなりになっている。

数匹、疑問を感じるものがいても、解決には至らない。
なぜなら、もうすでに、ナポレオンによる恐怖政治と洗脳が確立していたから。

読んでて、いいように使われている動物たちにイライラしました。もちろん、ナポレオン一味にもですが。

これは、まさに人間社会を描いています。
最初は平等だ公平だと笑顔で言っていても、相手が自分より劣ることに気が付いたとき、権力を手にしたとき、暴力の便利さに気が付いたときには、傲慢になる。

そして愚かにも、相手を支配しようとし、浅はかにも、自分は偉いと思い込み頂点にいる気になる。

褒められることではありませんが、実に人間らしい。

人間世界を「動物農場」という世界に落とし込んだ、面白い風刺作品でした。

中編の「動物農場」以外にも、短編の「象を射つ」、「絞首刑」、「貧しいものの最期」と他に3つの作品も楽しめるので、「人間の欲深さを見たい」という方におすすめします。

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